Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

今日は2015年9月12日。ジェレミーがこの世を去って二十年です。

先日ご紹介しましたとおり、今日ロンドンでジェレミーのファンと、友人・知人が集まることになっています。
今年の9月12日の集まり

ジェレミーをWyndham's Theatreの楽屋で撮影した写真家Marcus Tylorも、この集まりに参加するようです。会ったことがあるひとが参加するのを知ると、私のこの身は実際には行かなくても、こころが今日のロンドンとつながっているように感じられます。Marcusとりえさんと私とで奈良で会ったのが2010年10月13日ですから、もう5年がたとうとしています。
マーカスとりえさんとすごした奈良(1)

ジェレミーのファンで、ロンドンに行きたくても行けない人はたくさんいて、こういう言葉を目にします。
"I wish I could be there, but I will be there in spirit!"
(私も行けたらどんなにいいでしょう、でもこころはそこにいます!)
"I can't be there physically, although I'll join in spirit!"
(からだは行けないけど、こころは一緒です!)

この「こころは一緒」という言い方で思い出したジェレミーの言葉を、今日はご紹介しましょう。

ジェレミーは1995年5月、つまり亡くなる4ヶ月前にあたりますが、シャーロッキアンのグループ、The Northern Musgraves Sherlock Holmes SocietyがEdinburgh(エディンバラ)で開く集まりに出席して話をする予定になっていました。しかし健康状態が理由でいけなくなってしまいました。ジェレミーはこれを悲しんで、電話の声で参加者にメッセージを伝えることを、このグループの主催者だったDavid Stuart Daviesに提案したそうです。そしてこの録音は実際に集まりの会場で流されました。

これを文字におこしたものが、このグループの機関誌であるThe Ritualの1995年秋号(ジェレミー追悼号)に載っています。その冒頭部分です。ジェレミーの言葉の中でSHとあるのはもちろん、Sherlock Holmesです。

DSD: よく来てくださいました、ジェレミー。

JB: ここに来られてうれしいです。ちょっと残念なことに、こころで一緒にいる、っていうことですけど。みんな気をつけて。最近エディンバラでSHをみたっていうひとがいるんですよ。だから彼はそのあたりにいるんです。変装しているかもしれない、いま隣のどちらかにすわっているのがSHかもしれない。用心して。彼はその集まりのなかにいるって僕はきいたんだから。もし会ったら、僕がよろしくと言っていたって伝えてください。

DSD: Hello Jeremy and welcome.

JB: Nice to be with you. Sorry I'm only with you in spirit. Now listen, I'm told that SH has been seen in Edinburgh recently so I do warn all of you that he is about. Now he may be in disguise, he may be sitting on your right or your left hand side this very moment. So be wary because he is, I'm told, amongst you. If you see him, do remember me to him.

Message to The Musgraves
The Ritual, No. 16, Autumn 1995

いかにもジェレミーらしいでしょう。僕もみんなと、こころで一緒にいますよ、そしてホームズもそこにいるんですよ、って。

こう言ったときのジェレミーの気持ち、声の調子を想像しています。

今日、このテープをDavid Stuart Daviesが流す計画のようです。先日の記事でもアドレスを記したFacebookへの投稿に書かれています。この投稿には7月の時点での予定が書かれていますので、また少しかわっているかもしれませんが。
https://www.facebook.com/events/1462453807302910/permalink/1652756301605992/

1995年にThe Northern Musgravesのためにジェレミーの言葉を録音したものを、皆でこの日にききたいと彼は言っています。とても「こころ動かされる」録音だそうです。というのもジェレミーの健康状態は悪かったけど、とても「生き生きと楽しげ」だからです。
He wants to share a recording he did with Jeremy in 1995 for the Northern Musgraves, which he describes as 'touching', because he was unwell, but 'lively'


私もきいてみたいという気持ちとともに、でも、それこそ「こころで」きくことができる、とも思います。文字で読んで、こころを沿わせることができる。


ここから連想です。私が実際の生活で出会うひと、あるいは会ったこともない、気がついたらすでにこの世にいなかったイギリスのひと。最近私はそのひとりひとりに、今ここで私ができるもっとも誠実なこと、そして本当はこれしかできないことってなんだろうと考えます。

私でない他人。今ここで言葉をかわしているひと、そして今ここで気持ちを向けているひと(たとえ会ったこともないひと、すでにこの世にいないひとでも)。正にせよ負にせよ、何かの幻想、偏見、自分の気持ちの投影をひとに押し付けないようにつとめる、でも、それでも押し付けてしまっていることに気がつく。そのひとのこと、そのひとの気持ちなんて、全然わかっていないことを認める。その上で、今ここで自分に正直であろうとつとめながら、こころを沿わせて、ときに想像の翼を広げる。その想像の中にあやまりがあっても、その中に何か本質的なものが含まれているように願う。

そういうことじゃないかしら、と最近思っています。ジェレミーの話にもどると、だから私はジェレミーのことなんて何一つわかるはずがない。それでもなぜかこんなことしていて、たとえば文字に書き起こしたものを読んで思いをはせたりしているわけです。そしてそれは以前は考えてもいなかったけど、現実の生活の中の私と他人との関係と、不思議なかたちでつながっています。

そういう意味でも、そしてもちろん、あのホームズを残してくれたという意味でも、あらためてジェレミーに個人的に(うふふ)感謝の気持ちをおくります。ここに来てくださる皆様もそれぞれに個人的に(にっこり)、そして私も含めた世界中のジェレミーのファンと一緒に、ありがとうと言ってくださいね!

RM
関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://upwardjb.blog112.fc2.com/tb.php/711-9722920b

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

全ての記事を表示する

09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08 

QR