Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回と同じ新聞記事からで、前回の引用箇所のすぐ後からです。

Tough Job Trying To See The "Lady"
by Edwin Howard
The Southeast Missourian, Dec 13, 1963
https://news.google.com/newspapers?id=vsEfAAAAIBAJ&pg=1087,6772903

ブレットはロンドンで三つのミュージカルに出演したが、マイ・フェア・レディの舞台には出ていなかった。Laurence Olivier(ローレンス・オリビエ)のもとで"St. Joan"(聖ジョーン)に出演していたときに、オーディションを経てフレディ役に決まった。

「『聖ジョーン』で舞台にあがっていた私をワーナーブラザーズが買い受けた、その48時間後にはふりしきる雨の中でセント・ポール教会の前にたって、キャブ(馬車やタクシー)をとめようとしていました。ここカリフォルニアにいたんですけど、まるでイギリスを離れていないようでした。」

ブレットは重要な歌、「君住む街角で」を歌うということで少し緊張している。「できるだけたくさんリハーサルをするつもりです。オードリーと一緒じゃないとちょっと難しいんですけど。オードリーはミュージカル映画に出たことがあるから、私ほどリハーサルが必要じゃないんです。口の動きをテープとあわせるのはとても難しい。どこで息を継いだか、どれだけ音をのばしたかを正確に覚えている必要があります。」


Brett, who has done three stage musicals in London but not "My Fair Lady," won the Freddie role through a try-out while he was appearing in Laurence Oliver's production of "St. Joan."

"Forty-eight hours after they bought me out of 'St. Joan," Brett told me, "I was standing in front of St. Paul's in the pouring rain trying to hail a cab—only I was here in California. It was as if I'd never left home."

Brett is a bit nervous about his big "Street Where You Live" number. "I'm getting in as much rehearsal as I can," he said, "though it's a bit difficult without Audrey. Of course, she has done film musicals and doesn't need as much rehearsal as I do. I find synchronizing my mouth movements to the playback extremely difficult. You have to remember exactly where you took every breath and exactly how long you held every note."


いくつか私がはじめて知ったことがあります。一つはマイ・フェア・レディの撮影開始はSaint Joan(「聖ジョーン」、「聖女ジャンヌ・ダルク」)のすぐ後だったということ。舞台の上から連れ去られたという解釈もあるかもしれませんが、多分そこまでではなくて、公演期間はまだ続いていた、あるいはもしかしたら公演期間が終わった直後だったかもしれませんね。

ちなみにSaint JoanもBernard Shaw(バーナード・ショー)の作品です。ジェレミーはDunois(デュノワ)を演じました。この作品についてはたとえばこちらをどうぞ。Jeremy Brett Informationのページです。
http://jeremybrett.info/st_stjoan.html

ジェレミーがDunoisを演じている小さな写真がBrettish Empireにあります。このページの下から2番目の写真です。
http://www.brettish.com/early-stages.html

Jeremy Brett Informationにもありますように、後にジェレミーはオーディオブックでもDunoisを演じています。私はこのLPを持っているのですが、これがデジタル化されて販売されたらお知らせしましょう。Dunoisは軍の若き指揮官にして、ジャンヌ・ダルクのほぼ唯一の友人でした。

さて、もう一つ新たに知ったのは、あの最初の、雨のセント・ポール教会前のシーンが、ジェレミー出演シーンの内で最初の撮影(あるいはリハーサル)で、しかもイギリスをたって48時間後、多分スタジオ到着後それほどたたないうちだったということ。あの情景を思い浮かべると、ジェレミーが「イギリスにいるみたい」と思ったのも無理はないですね。

あのシーンのセットでの写真がJeremy Brett Informationに何枚かありますが、スタジオに着いてすぐだったことを思いながらみると、また新たに想像の翼を広げることができます。たとえばこれなんて、今到着して着替えてきました、さあリハーサルを、という感じにもみえますね。左は監督です。
http://jeremybrett.info/photos/MFL/imgpages/image006.html
(いつもお伝えするとおり、このサイトはかつて写真の番号をかえてアップロードし直したことがありますので、今後別の写真にかわっているかもしれません。)

さらにもう一つ知ったこと。いえ正確には推測できること。ジェレミーがリハーサルを重ねていた時には、おそらく自分の歌声の録音にあわせて練習していたこと、そして自分の歌が使われず吹き替えられることを知らなかったのではないでしょうか。もちろんこの時のジェレミーの言葉が、制作者から本当のことを言うのをとめられていた上での言葉、という可能性もあります。でもここまで熱心に語るということから、ジェレミーはこの時は自分の歌の録音が使われると思っていた、と私は推測します。皆様はどうでしょう。


引用しなかった部分で、撮影はクリスマスの少し前に終わる予定と書かれていて、これが12月13日の記事ですから、これは撮影も終盤にかかっていた時のインタビューですね。My Fair Lady撮影中のインタビューというのはこれしか知らないので、その頃のジェレミーの様子を想像しながら読みました。

RM
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コメント

ジェレミーの気持ちを思うと

ジェレミーの歌が吹き替えられたショックを思うと、本当に辛いですよね。
何事にも一生懸命なので、全力で歌の練習していたと思うんですよね・・・。
歌っているシーンは、本気で演技していると思うので、おそらく吹き替えになるとは撮影の後で知らされたよう気もします。

今回も「マイ・フェア・レディ」のブルーレイ特典見てて思うんですが、「Show me」のところは、オードリーだけ本物の歌声だけで、ジェレミーは吹き替えだけって、どういうことなのよ、って感じです。
そこも本物のジェレミー声で聞きたいですよね。

本当にそうですね

りえさん、こんばんは。

>何事にも一生懸命なので、全力で歌の練習していたと思うんですよね・・・。

私もそう思います。そしてこのインタビューでのジェレミーの言葉は、本当のことを言うのをとめられていたからではなく、本心からのものに思えるんですよね。いかにもジェレミーですもの、「できるだけたくさんリハーサルをするつもりです」なんて。

そして私もりえさんと同じように、撮影の時はまだ知らなかったんじゃないかと思いました。そして少し救われた気がしました。だって、がっかりした気持ちを持ちながら演じているのではないか、と想像しながら観るのはつらいので。もちろん撮影の前と後、どちらで知ったにしてもジェレミーにとってはショックだったでしょうけれども。

このあたりの事情とジェレミーがいつ知ったかは、私はまだ読んだことがありませんが、どこかに記録があるのかもしれませんね。

でもこのインタビューを読んで、ジェレミーの歌の録音はオードリーの「Show me」と同様、どこかに残されていてもいいんじゃないかと思いました。

>そこも本物のジェレミー声で聞きたいですよね。

はい!

今日は強風で寒いです!

「マイフェアレディ」のブルーレイ,うちにもやってきました!
鮮やかな映像ですね。本編はまだ,フレディの出てくる場面しか観ていませんが。
「Show me」では,ジェレミーらしい軽やかな足取りで水たまりをよけながら,イライザを追っていく場面を楽しんだりしています。

わたしも歌が他人の吹き替えになってしまうのは,撮影の後で知ったのかも知れないと思います。。
撮影中だと,いくらプロでも演技に対するテンションが落ちてしまいそう。
お二人の言われるとおり,吹き替えになると分かったときは,本当にがっかりだったでしょうね。

でも,ホームズを観ているとそんな経験も含めて,すべてがシャーロックホームズに集約されているのかなあ,とも思います。
だって,二年間見続けて(ちょっと大げさでしょうか?まあ,かなりの回数観て)ちっとも飽きないんですもの。

それにしても,わたしもジェレミーの歌声を聞きたいです。ぜひぜひ!

こちらも昨夜からかなりの風でした

さきさん、こんばんは。

>「マイフェアレディ」のブルーレイ,うちにもやってきました!

おお、すてきすてき!

> 「Show me」では,ジェレミーらしい軽やかな足取りで水たまりをよけながら,イライザを追っていく場面を楽しんだりしています。

あの足取りをみると、ダンスも上手だということがわかりますよね。

>わたしも歌が他人の吹き替えになってしまうのは,撮影の後で知ったのかも知れないと思います。。

わたしもそう思うようになりました。

>でも,ホームズを観ているとそんな経験も含めて,すべてがシャーロックホームズに集約されているのかなあ,とも思います。
だって,二年間見続けて(ちょっと大げさでしょうか?まあ,かなりの回数観て)ちっとも飽きないんですもの。

はい、大賛成です!このことも含めて、ジェレミーの俳優としての足取りは決して順風満帆ではなくて、実力も容姿も歌もすばらしかったのに、そしてこれを機に人気者・大スターになるだろうという時は何回もあったのに、なぜかそうならなかった。でもホームズで、それが変わったのですよね。そしてさきさんが二年間見続けた作品、そして多分一生見続ける作品を作ったんですよね!

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 RM

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