Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

先月書いた記事「戦車の前に立つ青年:1989年のインタビューより」でご紹介したインタビューからです。2ページあるインタビューのうちの今度は1ページ目からで、ホームズとワトスンの友情についてです。ここで言っている「芝居」とは、"The Secret of Sherlock Holmes"のことです。

出典は以下で、実際のインタビューは1989年の終わり近くにおこなわれました。インタビューのPDFファイルのダウンロード方法については、先月の記事をご覧ください。
"The Wonderful Mystery of Sherlock Holmes"
Scrawl, 2002
https://questingbeastscrawl.blogspot.jp

「男性が互いに腕を組んで歩いているのは妙だと思われるようになりました。ホームズとワトスンはそうしていたものです。親子が道を横切るときのようにね。長いことホームズとワトスンは元祖『おかしな二人』なんじゃないかと思われてきました。この芝居の意味は、最も純粋で素朴な友情をみることができる点だと思います。これは二人の男の劇で、二人とも孤独で何かに傷つき、一人は天才、一人は良き市民です。二人ともそれまでの人生の歴史があります。彼らの友情は澄み切った水のようで、私たちにははっきりとそれがみえます。その純粋さ、そして昔風の品性、信頼、思いやり、礼節がそこにあります。そういった多くのことがその頃は大切にされていましたが、いまは変わってしまいました。」

"It's no longer palatable to see two men arm in arm. Holmes and Watson used to walk around linking arms—like a father and son crossing the road—and it has been suspect for years, they must have been the original 'odd couple'. I think the value of the play is showing friendship in its purest naivety and simplicity. It's a play about two men, both lonely, both lost. One is a genius, one a good man. Both have lived a bit. And their friendship is there like a pool of clear water to see right through, that purity and all those old fashioned things like honour, trust, consideration, manners. So many things were valuable then, and that's changed."


この現代社会のスピードと、ときにはつながりすぎ、ときにはおそろしく分断されすぎている、ひととの関係を思うとき、昔風の友情を語る言葉にほっとします。

もちろんジェレミーは、ホームズの頃が何もかもよかったと言っているわけではありません。上の引用部分に先立つところで、こう言っています。

「あの時代にもどりたいなんて決して思いません。あの頃の貧乏な人々がどれほどみじめな貧困の中にいたか想像もできないし、女性の境遇はあの頃からとても変わりました。いまや男女は友達にもなれます。あの時代、女性はあがめられるだけで、実際の自分をみてもらえず、男性はクラブへ出かけ、女性は家にいてお茶を飲んでいました。いまや全部かわって、私はこうなってよかったと思います。」

"I don't think we'll ever go back, thank God, because we have no idea just how unbearably poor it was, and remember that women have moved much faster—now men and women can be friends. Then, they were worshipped, put on pedestals, the men went off to their clubs and women sat and had tea. Now that's all changed, and I'm very glad about that [...]"


当時のひどい貧困についても女性の立場についても、いまはこうなってよかった、ただし男性どうしの友情については...と先の部分に続きます。

男女の間での友情という言葉で、ジェレミーが二度目の奥様のJoanのことを最高の友人で最愛のひと(my greatest friend and heart)と言っていたことを思い出します(「入院」)。ジェレミーにとって同性の間でも異性の間においても、friendshipが一番大切だったのだろうと感じながら、私にとってのfriendshipを思ってみます。

RM
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