Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

最初は前回の記事と同じ、1992年の雑誌インタビューからです。

Baker Street Regular: Jeremy Brett and Edward Hardwicke
Interviews by Jim Knüsch
Scarlet Street, No.5, 1992

この雑誌記事にはジェレミーへのインタビューとエドワードへのインタビューと、両方が含まれているのですが、これはジェレミーが二人のワトスンについて話している部分です。SSはインタビューアです。

SS: 二人のワトスン、David Burke(デイビッド・バーク)とEdward Hardwicke(エドワード・ハードウィック)を比べてどう思いますか。
JB: 二人のワトスンは、互いに見事に調和したかたちになりました。驚いたことに日本からのファンレターのなかで、そして最近ではロシアからも、「最後の事件」と「空き家の怪事件」の間にワトスンが年齢を重ねたさまがあらわれているのがとても素晴らしいです、と書かれていました。ですから、二人がこころを配って演じてくれたおかげで、そしてデイビッドの後のワトスン役にエドワードはどうかと言ってくれたデイビッド・バークの夫人のおかげで、私は大きな幸運に恵まれてホームズを演じてきました。それから忘れてはならないのは、このプロジェクトのすべてはMichael Cox(マイケル・コックス)がつくりあげたということです。ワトスンがどういう人間かをきちんと後世にまで示したのです。デイビッド・バークとエドワード・ハードウィックという優れた二人の俳優によって、それが可能になりました。
SS: ワトスンが変わったことで、あなたのホームズの演技は変わりましたか?
JB: はい、とても。

SS: How would you compare David Burke and Edward Hardwicke as your two Watsons?
JB: Well, they've very beautifully dovetailed each other. Quite remarkably, some people in Japan and now Russia have written saying how brilliant it was, the aging of Watson between THE FINAL PROBLEM and THE EMPTY HOUSE. So, fortunately, thanks to the enormous tact of both of them—and David Burke's wife, who suggested Edward to take over—I've been very, very fortunate. You must remember the whole project was created by Michael Cox at Granada, to put posterity straight in regard to Watson. Thanks to those two marvelous actors, David Burke and Edward Hardwicke, It's been done.
SS: Did your playing of Sherlock Holmes alter with the change in Watsons?
JB: Oh yes, very much.


二人のワトスンが「見事に調和した」と訳してみましたが、ジェレミーは"beautifully dovetailed"と言っています。"dovetail joint"をWikipediaでみると、なるほど、こういう木の継ぎ方のことなのですね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Dovetail_joint

そのあと、「日本」とあるのがうれしいですね!この方、自分の手紙のことをジェレミーがわざわざインタビューで触れてたことをご存知だといいですね。そして当時日本からお手紙を書いていろいろな感想を伝えた方が、この方以外にもたくさんいらしたのでしょう。

デイビッドとエドワード、それぞれのワトスン、私はまったく違和感ありませんでした。不思議です、俳優がかわると、少しすれば慣れるとしても、はじめは以前の印象が残っていて少し居心地悪い気持ちになるのが私は普通なのですが。そして多分多くの方が私と同じように、「最後の事件」と「空き家の怪事件」の間のワトスンの違いを、3年間という時間とその間の生活、そして感情の跡をあらわすものとして、自然にみたのでしょう。

ジェレミーはそれから、マイケル・コックスの功績に触れています。こうしてきちんとプロデューサーの名前を挙げるところ、ジェレミーはいつもそうです。どうしても俳優の名前の方が一般にはよく知られているので、映像作品が話題になっても、俳優以外の名前には触れられないことも多いでしょうが、ジェレミーの口からはメイキャップ係、デザイン担当者、照明や音響担当者などの名前が出てくるのを何度かききました。そしてプロデューサー、それぞれの作品の監督や脚本家の名前はしょっちゅうです。

最後のところ、「演技が変わった」というその内容をききたい気がしますが、このインタビューでは次の話題にうつっています。もしかしたらインタビューアは尋ねたけれども、それは言葉で説明するのは難しいことだったのかもしれません。ジェレミーが別のインタビューで、ホームズが変わったとアメリカPBSのプロデューサーに言われたけれども、自分ではどう変わったかはっきりとは言えない、と話していたことも思い出します。結果として変わったということかもしれません。(あ、でも別のインタビューではどう変わったか話していたのを思い出しました。みつけたらまた書きましょう。)


さて最後に、関連する部分をマイケル・コックスの言葉からご紹介しましょう。彼の著書の A Study in Celluloid (1999) からです。

デイビッドの演技を引き継ぐのは難しいことがエドワードにはわかっていたので、賢明にもエドワードはデイビッドのワトスンを真似ようとはしなかった。そのかわりに自分自身のワトスンをつくりあげた。少し年をとり、さらに思慮深くなり、ライヘンバッハでの悲劇と、それに続く灰色の3年間を悲しみの中にすごしたワトスン。デイビッド・バークのワトスンが3年後にこうなったことを、十分に信じることができるようなワトスンだった。

He knew that David was a difficult act to follow, and very sensibly Edward made no attempt to imitate him. Instead he gave us his own Watson: an older, more serious man, saddened by the tragedy at the Reichenbach Falls and the three drab years which followed. It was entirely believable that this was the character which David Burke's Watson might have become.


そうですそうです、と深くうなずきます。

RM
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