Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

二人のワトスンそれぞれと共に演じた中でどの話が一番好きか、とジェレミーがインタビューで尋ねられて答えているところを引用します。インタビューアはDavid Stuart Daviesです。ジェレミーは一番好きな話は選べないと言って、好きなシーンをあげています。

この内容は二つに分けてDavid Stuart Daviesの著作にも書かれていますから、これを読むのははじめではありません。でも本では一部でしたし、亡くなる年の2月かそれ以降にジェレミーが語った言葉だということを、このインタビュー記事を読んではじめて知りました。1995年のはじめにジェレミーのフラットで最後に会った時のインタビューに、ジェレミーが掲載雑誌Scarlet Streetの出版人であるJessie Lilleyにそのあと電話で話した内容も加えたインタビュー記事だと書かれています。ジェレミーとDavid Stuart Daviesが最後に会ったのは1995年2月のはずですから、この時かそれ以降です。

SSはインタビューアです。中でジェレミーがTedと言っているのは、Edward Hardwickeのことです。

Dancing in the Moonlight: Jeremy Brett, A Last Talk with David Stuart Davies and Jessie Lilley
Scarlet Street, No. 20, Fall, 1995

SS: 二人の違うワトスン、David Burke (デイビッド・バーク)とEdward Hardwicke(エドワード・ハードウィック)とで、どの話が一番好きですか。
JB: 選ぶことはどうしてもできません。二人はそれぞれ独自の素晴らしさを持ったワトスンでした。とても好きなシーンはいくつもあります。「踊る人形」で土地の警察が私が何者かを知らなかった時に、デイビッドが私のために口を開いた、あの時の様子がとても好きでした。前に出て「こちらはシャーロック・ホームズ氏です」と告げた、あの時です。「最後の事件」での演技にも感動しました。Ted(テッド)が「空き家の怪事件」で帰ってきた友を前に気を失って、その後の安堵がはっきりとみてとれたことにもこころうたれました。気持ちが繊細でもろいワトスンをみせてくれました。「マスグレーブ家の儀式書」でも見事な演技でした。あれは私たちの作品の中で最高のものの一つだと思います。

SS: Tell us, which were your favorite episodes with your different Dr. Watsons, David Burke and Edward Hardwicke?
JB: I cannot possibly choose. They were both splendid Watsons in their own individual way. There are moments I'm fond of. I loved the way David stood up for me in THE DANCING MEN, when the local police didn't know who I was. He stepped forward: "This is Sherlock Holmes." I was very touched by his performance in THE FINAL PROBLEM. Ted's faint and obvious relief at his friend's return in THE EMPTY HOUSE was also very touching. He showed such vulnerability. He was so very good in THE MUSGRAVE RITUAL, which is one of the best we ever did.


「踊る人形」でのシーンを見直しました。二人は屋敷に歩いて入ってきて、先にホームズが口を開き歩みをとめる。ワトスンはさらに歩いてホームズより前に出てとまる。ワトスンはホームズのために先に出たのですね。この後のジェレミーの演技も見事でした。"Mr Hilton Cubitt ... " と言いかけて "... was my client."と過去形で言う時の表情に、ホームズの感情があらわれていました。

「空き家の怪事件」でのワトスンが失神するシーンは、目に焼き付いています。この時のことをエドワードが話しているインタビューがあるとよいのですが。気をつけておきましょう。(どうしてもエドワード単独へのインタビューの内容が、記憶からすりぬけてしまいます。)「マスグレーブ家の儀式書」については具体的なシーンは言及していませんが、どこのことでしょうね。名シーンがたくさん思い浮かびます。

そして、このように二人のワトスンの演技を思い出して讃えている言葉が、亡くなる年、すでにホームズを演じ終わり、心臓の状態がとても悪いことがわかって間もない頃のジェレミーの口から出ていたことを知って、ジェレミーはどんな気持ちでどんな口調で語っただろうかと思っています。

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