Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回の記事の引用元としてあげたBerkswell Miscellany, Volume V から、今度はお父様のことをお話しましょう。何回かこのブログで、お父様のことをジェレミーが話しているのを引用しました。たとえばこちらです。
父のこと; 1973年のTV Timesのインタビューより
父と子
アーチェリーに関する1989年の記事より(3)(でも脱線して、父との和解について)

ジェレミーが両親のことをきかれて、まず必ずと言ってよいほど最初に口にするのが、「父は有名な軍人、母はアイルランド人のクエーカー教徒」ということでした。軍人としてどんなかただったか、Berkswell Miscellany, Volume Vに書かれています。まずはこの本の導入部の一節からです。

ハギンズ大佐は第一次世界大戦で名誉ある勲章を受けた軍人で、1939年に再び召集されて、新しく兵士を募って訓練をして、連隊を組織するように命ぜられた。第120連隊英国砲兵隊を3年間指揮したが、陸軍省の命により連隊の指揮から引退して訓練役のポストについた。

He was a much-decorated soldier in the First World War and was called on again in 1939 to recruit and train a regiment. He commanded the 120th Field Regiment, Royal Artillery, for three years until he reached the age when the War Office decreed that he could no longer command an active regiment and he was posted to a training position.


イギリスの軍隊組織のなりたち、その訳語がこれで正しいかなどよくわからないのですが、ここを読んではじめてわかったのは、二度の大戦に違った形で関わったということです。ジェレミーがよく、いくつものメダルをもらった有名な軍人だったが、友人を皆戦争で失った孤独なひとだった、と言っていたのは、おもに第一次世界大戦の時のことですね。そして第二次世界大戦がはじまった1939年には、若い志願兵を集めて連隊の指揮をとったのですね。

この本の本文にも、もうすこし詳しい記述があります。

1939年4月、ハギンズ大佐(その頃は少佐)は陸軍省から、連隊を組織するように命ぜられた。彼はこの地の地方新聞に知らせを載せ、Birmingham近くにある役所に情報窓口を設けて、人を配置した。二日間で、志願した600人が採用された。ほとんどがBirminghamとSolihull地域からだった。(中略)

連隊は1939年6月に正式に発足し、第120連隊英国砲兵隊となった。

In April 1939, Colonel (then Major) Huggins was asked by the War Office to raise a regiment. This he did—he placed advertisements in local newspapers and an information kiosk was manned near the Town Hall in Birmingham. In two days, 600 volunteers had been recruited, mostly from the Birmingham and Solihull area. [...]

The regiment was officially formed in June 1939 and became the 120th Field Regiment, Royal Artillery.


1939年6月ということは、ジェレミーは5歳ですね。

もう少し先も引用します。

大佐は隊員たちからとても好かれていた。そして自分ならやらない、自分にはできないようなことを隊員たちにやらせるようなことは決してない上司として尊敬を集めていた。ある時など、どんな地形か予想がつかない山腹をオートバイで駆け上った。その後で「言っただろう、私ができることなら、君たちだってできる」と言った。

The Colonel was very well-liked by his men and was respected as a man who never asked anyone to do anything he wouldn't do himself, on at least one occasion charging up the treacherous terrain of a mountainside on a motorcycle, afterwards saying—there you are, if I can do it, you can.


こういうリーダーとして尊敬を集めるようなところ、ジェレミーは誇りに思っていたのではないかと思います。そしてジェレミーもまた「天性のリーダー」だと、プロデューサーのMichael Coxから言われていました。("[H]e was a natural company leader" 「あたたかさと賢さ;The Ritual (1995) より」)


今日のところは訳すのが大変でした。特に軍隊組織に関する言葉の訳がまちがっていないとよいのですが。(多分)次回はこの連隊が発足して50年を記念して、ジェレミーを含むハギンズ家のひとたちと連隊のかつての隊員が集まった時のことに触れます。

RM

追記:お父様の軍隊での階級Colonelを「大佐」と訳していますが、ColonelはLieutenant-Colonel(中佐)の意味でも使われるそうです。この本ではざっとみたところ、終始Colonel Henry William Huggins, Colonel Huggins, the Colonelという書き方をしているので「大佐」と訳しましたが、たとえばイギリスの新聞The Independentの追悼記事では、Lt-Col H.W. Huggins(中佐)としていて、こちらが正しいのかもしれません。
http://www.independent.co.uk/incoming/obituary-jeremy-brett-5649170.html
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コメント

このサイトでジェレミーブレットがどのような俳優であったかを知りつつあります。もともとグラナダ版シャーロックホームズが大好きで、それを演じるジェレミーブレットを尊敬していました。僕は、おそらく他のグラナダ版のファンと同じく、このサイトを見る前まではシャーロックホームズとジェレミーブレットを半ば同一視していたのですが、ジェレミーブレットは彼自身もとても素晴らしい人格を持った人であったのですね!

缶バッチさん、こんにちは。

このブログをはじめてよかった、続けていてよかった、と思いました。

>僕は、おそらく他のグラナダ版のファンと同じく、このサイトを見る前まではシャーロックホームズとジェレミーブレットを半ば同一視していたのですが、

私もグラナダシリーズを最初にみたとき、ホームズそのもの!と思って、よくこんなにホームズと似た人をみつけてきたものだ、と本気で思いました。この人は子供のころのあだ名はシャーロック・ホームズだったに違いない、と本気で信じていました。

>ジェレミーブレットは彼自身もとても素晴らしい人格を持った人であったのですね!

はい!グラナダ版を楽しんだ人、ジェレミーのホームズが好きな人、でもジェレミー・ブレットという個人については特に知らない人に私が半ば照れながら言うことは、このホームズを演じた俳優も面白いひとなのよ、というセリフです。もしもちょっとでも興味を持ってくれたら勢い込んで、あたたかくてお茶目で、すごくまっすぐで、困難の中でも人生を十分に生きたひとなのよ、と言うでしょう。

缶バッジさん、いらっしゃい

RMさん。お久しぶりです。
少しだけ落ち着いてきたので、お話ししたいな〜・・。と。

缶バッジさん、ようこそ。
缶バッジさんのお話を聞いていて、私も初めてジェレミー=ホームズに出会った時のことを思い出しました。
このコメント欄では、お話ししきれませんが、RMさんのブログでドップリ、ジェレミー=ホームズに浸って下さいね。

RMさん、ご旅行、行ってらっしゃい。
また、遊びに来ますね。

わあ、うれしい!

だいさん、こんにちは!だいさんとは、もうずいぶん長いですよね!

はじめての方がいろいろな記事を読んでくださっているのを知るときも、懐かしい方が声をきかせてくださるときも、このブログを続けていてよかったと思います。缶バッチさん、だいさん、お二人のおかげです。

>缶バッジさんのお話を聞いていて、私も初めてジェレミー=ホームズに出会った時のことを思い出しました。

はい、わたしも同じで、いろいろと思い出していました。そして、思い出すことはわたしにとって、一つの救いでした。

この数週間はいろいろなことがあって、こころの空にはまだ雲がかかった状態が少し続きそうなので、あの頃のことでわたしのなかに残っているもの、残っていないもの、わたしのそとで残っているもの、幸いにも消えてなくなったものなど、折々にぼんやりと思い出してみようと思います。

>RMさん、ご旅行、行ってらっしゃい。

小さな旅行は、ちょっとした変化をもたらしてくれました。

>また、遊びに来ますね。

どうぞ、いらしてくださいね!

そそっかしさ

RMさん、お帰りなさい。
ちょっとした変化・・変化を受け入れられるってRMさん、若いですね。私は、年をとると共に変化しないように気をつかっているような気がしています。

年と言えば、先日のコメント間違ってましたね。缶バッチさん!でした。ごめんなさい。
わたし、書道を習っていて、先生によく言われるのが「もう少し細かいところにも注意して見て。」なんです。
これは、年を重ねても変わらないんです。(悲)
RMさんみたいに、もう少し慎重になりたい・・(ときに大胆なRMさんも素敵ですが)

ジェレミーはどうだったのかな〜。

ジェレミーがそそっかしい(?)のは数字ですね

だいさん、ただいま、です。

>私は、年をとると共に変化しないように気をつかっているような気がしています。

ああ、私も同じだと思います。できれば穏やかな変わり方であってほしいと思っています。

だいさん、書道を習っていらしゃるのですね!長いのでしょうか。習い事の楽しさってありますよね。書道は私は習ったことがない分、子供の頃からあこがれていました。

>RMさんみたいに、もう少し慎重になりたい・・(ときに大胆なRMさんも素敵ですが)

私はもともと「石橋を叩いてこわす」タイプだったのですが、ジェレミーに習って(うふふ)少しだけ冒険するように、少しだけ衝動的に生きるようになりました。ブログを始めるなんて、私にしてみたらむちゃくちゃ大胆です!私の身の回りのひと、親しいひとは、このブログのことは何も知りません。知ったらびっくりするだろうなあ。もっとも私がジェレミー・ブレットが好きということは知っているので、気がついているひともいるかも。

>ジェレミーはどうだったのかな〜。

ジェレミーは数字に関して結構適当だったという印象があるんですよ。結婚の年とか、南アフリカをジェレミーが一人でヒッチハイクした時に息子のDavidは何歳だったかとか。
http://upwardjb.blog112.fc2.com/blog-entry-87.html

数字は難しい

お返事、ありがとうございます。
ジェレミーは、細かいことには、こだわらないんですね!ふふ、素敵!
私は自分の年齢も間違って言っていた時期がありました。恥ずかしいですよ。きっと、相手の人は「何、さばよんでんだよ!!」と、思われていたに違いないんです・・(泣)
まっ、いいんですけどね。

私は、RMさんの勇気のお陰でジェレミーにどっぷりはまることができて、RMさんとも、お話できて、いいことだらけです。
また、RMさんには驚かせてもらうことを楽しみに待っているのですよ(笑)
大胆すぎて、予想以上のときもありますが・・。

最近,ジェレミー=ホームズ見てないな〜週末にでも見ようかな〜。

私もです

だいさん、私もまったく同じです!年齢なんて毎年かわるし、あとは西暦と年号も毎年、日にちなんて毎日かわるじゃないですか!しょっちゅう間違えます。

>ジェレミーは、細かいことには、こだわらないんですね!ふふ、素敵!

うふふ、演じることにはこだわっても、数字や、そしてファッションにも(すごく若いころは別だったかもしれないけど)あまりこだわっていないみたいですね。そういうところも素敵ですよね!
http://upwardjb.blog112.fc2.com/blog-entry-678.html

>私は、RMさんの勇気のお陰でジェレミーにどっぷりはまることができて、RMさんとも、お話できて、いいことだらけです。

そう言ってくださってありがとうございます!そして、大胆な記事でだいさんを驚かせたいものです!

>最近,ジェレミー=ホームズ見てないな〜週末にでも見ようかな〜。

おお、いいですね!

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