Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前回触れた、南アメリカでのヒッチハイクの旅についてご紹介したくなりました。このことをはじめて知ったのは、1991年のラジオインタビュー番組、Desert Island Discsを聴いたときでした。この内容はりえさんのブログのコメント欄で紹介させていただきました。当時は言葉を文字に書き起こしたものを持っていなくて、なんとか理解しようとこの番組全体にわたって何回も何回も聴いたので声の調子も含めて完全に覚えている、大好きなインタビュー番組です。でも調子は覚えていても英語として聞き取れないところはたくさんあったのですが、その後文字に書き起こしたものを手に入れたので、再度少しずつ紹介します。この音声は再開準備中のThe Jeremy Brett Archive (Jeremy Brett Informationと名前をかえるようです)で聴けるはずですので、そうなったら追記にてお知らせします。

(The National Theatreでのオリビエとの4年間の話の後で)

本当に刺激的でわくわくする日々でした。でも私は完全に消耗してしまって、いえ、消耗ではなく世界が灰色にみえるようになって、そこを離れることになりました。そして6ヶ月間にわたって南アメリカにヒッチハイクの旅に出たのです。

(南アメリカのどこですか?)南アメリカ全部です。まずチェ・ゲバラの国に行きました。チェが生まれたアルゼンチンのロサリオにまず行って、それからボリビア、ボリビアのオルロのカーニバルに行って、そしてインカ帝国の国々、マチュピチュへ向かいました。

(息子さんはそのとき学校へ行く年齢だったのですか?)
息子は多分14歳だったでしょう。私はまだ妻と出会っていませんでした。二度目の妻と。それからチリ、平原を横断してブエノスアイレス、そしてリオ・デ・ジャネイロへ行って、そして家に戻って、「ああ、このすばらしい旅を経験したら、もう働く気持ちが失せるだろうと皆に言われたなあ」と思いました。でも家にもどったら電話のベルが鳴って、ジョン・モーティマーが言いました。「ジェレミー、父の人生を劇にするためにキャスティングをしているのだけれども、僕の役をやってくれる?」これが1971年の舞台「A Voyage Round My Father」のはじまりでした。

Thrilling, thrilling time... but I had to leave because I was absolutely worn out; not worn out - grey. So I went off to South America and hitchhiked for six months.

(Where in South America?)
All over, I went "Che country". I went to Rosario to his birthplace first. And then I moved through to Bolivia and went to the carnival in Oruro in Bolivia and then on to the Inca kingdoms, Machupicchu...

(Your son was at school at the time?)
He was 14, I think. I had not met my wife then - my second wife. Then I went to Chile, then across the plain to Buenos Aires, then up to Rio and back and I got home and I thought "gosh, they told me I'd never work again if I did this amazing journey". The phone rang and it was John Mortimer... .


どんな旅だったのか、1979年のインタビューで話しているのを紹介します。

「南アメリカでのチェ・ゲバラのすばらしい功績にとても興味があったので、南アメリカで彼の足跡をたどろうと決めました。でも彼はボリビアで亡くなったので、彼をたどる旅は悲しいものでした。

「それからインカ帝国の国々へ行きました。ずっとインカ帝国に興味があって魅了されていたからです。それからチリ、ブラジルへ行って、そして帰国しました。

「ほとんどお金は持たずに行きました。お金がなくても自分の力で生きていけるかをためしてみたかったのです。6ヶ月滞在して、ヒッチハイクで旅しました。

「旅の途中で働きました。石を採ってみがいて、並べて売ったこともあります。チリでは貝殻をたくさん手に入れて、ものすごく小さいねずみをピンセットをつかってつくって売ったら、ずいぶんたくさんお金をかせぐことができました。」

"... I was very intrigued by [Guevara's] exploits over there, so I decided to go and follow his route. Actually, this was a rather sad thing to do because, of course, everything ended for him in Bolivia.

"I then went into the Inca Kingdoms because they have always fascinated me, then into Chile, and Brazil, and back home.

"I went with very little money because I wanted to see if I could survive without any, make it on my own. I was away for nearly six months, and I hitch-hiked a lot.

"I worked there, too. At one point, I got some stones and polished and set them and sold them on the spot, and in Chile I got lots and lots of shells and with a pair of tweezers I made tiny little mice, which I sold for quite a lot of money."


(出典: http://www.brettish.com/middle-stages.html)

余談ですが、この旅については、チェ・ゲバラを演じるための旅だったのか、The National Theatre (1967-70)をやめた後、つまり演じた後だったのか、はっきりしないところがあります。ラジオインタビューでは明らかに後者なのですが、David Stuart Daviesの著作 'Bending the Willow'や、ある新聞の追悼記事の中では、前者のように書かれていました。また、息子のDavid (1959年生まれ)の年齢はどちらの場合も14歳よりも若いはずなのです。それで、ジェレミーは正確な日付や年号や年齢にはあまり気をつけない、伝記作家泣かせの人だ、とファンフォーラムで半ば冗談のように話題になったことがあります。Joanと結婚した年も、インタビューや記事によって違っています。ただこれは、日本だったら式をあげた年と籍を入れた年が違う可能性はあるでしょうが、イギリスやアメリカではどうなのでしょう。私はジェレミーについて書くとき、いつのことかわかるようにできるだけ年号をいれるようにしているのですが、年号や前後関係については後々修正が必要になるかもしれません。

南アメリカでヒッチハイクの旅をしたという話は、ジェレミーの自由で冒険を好む面を教えてくれました。私はジェレミーを知った最初は、こういう面を考えてもいませんでしたが、今は大好きです。Lindaの本に、いつどこで撮ったのかわからないけど、という断り書きとともに、木造の納屋の壁のようなところに鋭い目つきのジェレミーが腕を組んでもたれている写真がありましたが、あれはこの旅の途中かもしれないと想像しています。汚れたゴム長靴をはいた、いかにも野性的な姿です。最後にこの写真をご紹介します。


チェ・ゲバラを演じたときの舞台写真はこちらの記事中で紹介しました。これも好きな写真の1つです。

RM
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コメント

ジェレミーの行動

最初にこの写真を見たとき「ジェレミー」だと気づきませんでした。挑戦的で荒々しいジェレミーの別の面なんですね。優雅な衣装を身に着けていつもの美しい貴族的な姿じゃないジェレミー。ヒッチハイクで石や貝殻でお金を稼ぐなんてびっくりです。あのう、ジェレミーの作った「ねずみ」見たかったです。

びっくりでしょ!

さくらさんもこの写真、びっくりなさったでしょう?!

>優雅な衣装を身に着けていつもの美しい貴族的な姿じゃないジェレミー。

ジェレミーはいろいろな面を持った人だと感じます。本当に魅力にあふれた人ですよね。そして自身がそういう多面性があるからこそ、複雑な人間をあれだけ魅力的に演じられるのでしょう。

>あのう、ジェレミーの作った「ねずみ」見たかったです。

私もです!

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 RM

Author: RM
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