Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

先日、I need a hug. というタイトルで書いた時にご紹介したインタビュー記事から、もう少し抜粋して引用します。ジェレミーがLinda Pritchardのことを語った部分があります。その後、The Jeremy Brett-Linda Pritchard Storyから、ジェレミーが16歳でリウマチ熱にかかった時のことをどう言っているかについてお話しします。(この記事は表現に気になるところがあって後日一部を書き加えたり、書き直したりしました。申し訳ございません。)

ジェレミーは、病から回復したのはリンダのおかげだ、と言った。二人は、彼女がガン研究のための募金活動として海岸線に沿ってイギリス中を走ることを計画していた時に出会った。「ちょうどその時に3000ポンドの賞金を得たので、その活動のために彼女に寄付したのです。」何の賞ですか?彼は少し間をおいて、照れた様子で「パイプスモーカー・オブ・ザ・イヤーです。」そしてこう続けた、「リンダはバスの運転手をしていたのですが、本当にありがたいことに、その仕事をやめて病気の私を助けてくれました。病気がとてもひどくて、心が身体を離れてしまった時、多分1時間くらいでしょう、そして戻ったとき、リンダが、この小さな妖精がベッドの足元にすわっていました。リンダは私が飲んでいる薬すべてについて尋ね始めました。彼女は私を救ってくれました。奇跡がおこったのです。私は16歳の時にリウマチ熱にかかったのですが、その時の病気のせいで心臓が肥大して心臓の弁が弱くなっていたのでした。」そしてそれが気分の揺れの原因だった、とジェレミーは言った。「私は生まれかわりました。血液には酸素がきちんと 運ばれるようになり、脳は生き返りました。今までにないほど健康です。」

この部分を読んでまず感じるのは、ジェレミーがLindaに感謝していたことです。そしてもう一つは、双極性障害もリウマチ熱が原因、あるいは遠因だった、それがわかって適切な治療を受けたことで健康状態がとてもよい、と話していることです。これが本当ならば、16歳の時のリウマチ熱はなんとジェレミーに多くの影響を与えた事でしょう。心臓の病だけでなく精神の病もひきおこしたことになります。ただ、もう一つの可能性として、ジェレミーがそう思い込んでいた、あるいは病識がない状態にあったのかもしれません。というのはLindaもDavid Stuart Daviesもリウマチ熱による心筋肥大と双極性障害の因果関係については何も書いていないのです。

追記:Bending the Willowの中に、「1993年11月に病気のために撮影ができなくなったのは、精神の病のためではなく心臓の病のためであることがわかり、今健康状態はかなりよくなりつつある」というPress releaseの文章が紹介されているのに気づきました。これは実際よりも重大でなくとられるように書き換えられたものだ、とDavid Stuart Daviesは言っています。この時の話はこのPress releaseに沿った内容のようです。

追記その2:この頃のことを人からきいていて、この時ジェレミーはかなり精神の病が重くて、いろいろな点で思い込みが生じていたと感じている人が複数いることを最近知りました。この後あまり間をおかずに入院しているはずで、その可能性はあると今は思っています。



このインタビューの中で、インタビューアが「結婚は?」と尋ねたときに、「多分私は天国で結婚しているのだと思います。」と答えています。Joanのことでしょう。ジェレミーとLindaは、結婚につながるような関わりあい方ではなかったのだろうと思います。

リウマチ熱の後遺症としての心筋肥大症が、ジェレミーの死の直接の原因となりました。でもLindaの書いた本を読んで驚いたのは、16歳の時のリウマチ熱で死の近くまでいったことが、その後のジェレミーを導いたことです。父親のためにその後をついで軍人になることが、この病気が原因で不可能になったことはそれまでも知っていましたが、それ以上にジェレミーにとって大きな意味をもっていたことを知りました。The Jeremy Brett-Linda Pritchard Storyから引用します。

「この病気で良かったことが一つあるんだ。一番悪くなって死の近くまで行った時、わかったことがある。はるかに高いレベルの意識に深く触れた瞬間があったんだ。でも困ることは、そのレベルからそれ以来おりてこれない、ってことだよ。」彼は笑った。「僕はずっと二つの世界の間で生きているんだと思う。この地上の世界と、この世でしばらく生きた後に行く世界と。そしてその二つの世界の間で生きていることは、僕をとても助けてくれている。」

"And there's one good thing that resulted from that ailment. When the illness was at its peak and I was very close to death, that was when I managed to touch the petticoats of comprehension. There was a moment when I was given an insight into a much higher level of consciousness. The trouble is, I haven't come down from that level since," he laughed. "I think all my life I have been bordering between two worlds: the world we live in on earth and the one to which we go when our earthly sojourn comes to an end. Actually, it is something that has really helped me."


この本を読むまで、ジェレミーが世界に対してこのような感じ方を持っている人だとは知りませんでした。ある種の臨死体験をしたのだと思います。そしてジェレミーがこのような人だということを深く感じながらこの本を読み続けて、空が白み始めたころジェレミーの死の時を迎えて、嗚咽しながら読み終えた時、私の中で何かが死んで、新しく生まれたものがありました。私もあの時、この世をこえた世界を感じたのだと思っています。それが私にとって、ジェレミーの魂が私に触れてくれた瞬間でした。このこころとからだをこえたものがあることを知った瞬間でした。

RM
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コメント

おひさしぶりです。リンダさんとジェレミーの精神的なつながり、撮影を続けれられなくなった背景、ジェレミーの精神がある高みに達していた・・・などなど、深く感動いたしました。
また、別件の、沢山の写真も拝見しました。
癒されました。ありがとうございます。

ちびさん、こんにちは。

コメントありがとうございました。リンダさんにはたくさんの点で、本当に感謝しています。そして今回書いたことは、私の中で本当に大きなことでした。いつか書きたいと思っていたことでした。今はあのときのような鮮やかさはなくなりましたが、私の中で確かに、静かに、生き続けています。ちびさんの中にも、イギリスにいらした時に感じた何かが、多分静かに生き続けていますよね。日常の忙しさのなかでも。

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 RM

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