Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

前々回の記事で、「ジェレミーはラッシュ(編集前のフィルム)の時からちゃんとみる俳優でしたから」と書きました。ジェレミーがラッシュをみることについては、以下の記事で触れました。
ジェレミーがラッシュを熱心にみること:本より、そして1991年のインタビューより

この記事でご紹介した二つのうちの一つは、Paul Annettの言葉でした。Paul AnnettはThe Solitary Cyclistなど、シリーズ中の3作品を監督しましたが、2017年12月11日に亡くなりました。そこで今日は、Paul Annettが亡くなったときのあるtweetではじめてみた写真をご紹介したいと思います。

でもまずその前に、Paul Annettの言葉を再度引用します。David Stuart Davies著、Bending the Willowからです。

ジェレミーはラッシュのすべてを熱心にみた。ラッシュをみるときにいつもそこにいた俳優はジェレミー以外にはCharles Danceしか知らない。いつもその場にいて熱心に検討に加わった。撮影の技術的な側面に対して彼は鋭い感覚を持っていた。

Jeremy was extremely keen to see all the rushes. He was probably the only actor I know, other than Charles Dance, I think, who came to every session of the rushes. He was there every time—very much into what was going on. He had a very keen sense of the technical side of things.


今日の記事とは関係はありませんが、好きなインタビューなので、もう一つ、ジェレミーがラッシュをみることに関するジェレミーとエドワードの言葉も再度引用します。出典はこちらです。
"Holmes' Encore"
The Armchair Detective, Vol.25, No.1, 1992

TADとあるのはインタビューアです。

TAD: 完成前の映像で自分をみるのは、お二人はイヤですか?

ブレット: 自分をみるんじゃないんですよ。みるのはそれ以外です。たとえば話がどう運ばれているかをね。画家が絵を細かく検討するときのように、親指で自分をかくして、まわりで何がおきているかをみるんです。

ハードウィック: 以前はよくジェレミーと議論したんですけど、ワトスンを演じるようになってすぐの頃、ジェレミーがラッシュをみるのにすごく熱心なので、こう言ったんです。「僕はみていられない。すごくイヤなんだ。」完成してからみるのはいいんですよ。でもいま撮影しているという時にラッシュで自分をみると、がっかりしてダメなんです。ジェレミーは「うん、でも自分をみているだけじゃないよね。他の人、照明や音響や、みんなの仕事をみている。みんなほめられて励まされたいんだ。ラッシュで彼らの仕事をみて、翌日『すばらしかったよ!』って言ってあげられるよ。」ジェレミーの言うとおりです。でも自分が思っているようには演じることができていないから、やはりみるとがっかりします。

TAD: Does it bother either of you to watch yourself in previews?

Brett: Well, you don't look at yourself. You look at other things. The storytelling, for instance. You put a thumb over yourself, like a painter examining his work, and watch what goes on around you.

Hardwicke: I used to get into an argument with Jeremy about this. When I took over the part of Watson, he was very keen about going to rushes. I said, "I can't. I just cannot face it. I really hate it." I don't mind seeing a completed film. But when I'm in the process of working, I find it personally very destructive to see rushes. Jeremy would say, "Yeah, but you're not just looking at you. All the other people—the lighting man, the sound man—they all want a pat on the back. And if you watch it, you can go up the next day and say, "Terrific!" And he's quite right. But you never end up doing what you think you're doing, and I find it discouraging.



さて本題にもどりましょう。Paul Annettの写真で、このブログですでにご紹介したものととしては、以下の3枚があります。
建築中のグラナダスタジオでの写真;A Study in Celluloidより
向かって一番左。
建築中のグラナダスタジオでの写真;The Television Sherlock Holmesより
上から2枚目、向かって右。
ウェブサイト "Jeremy Brett Information" のご紹介(7)ホームズ撮影舞台裏の写真
の上から3枚目の写真、顔が腕で隠れていますが、一番左。

そしてPaul Annettが亡くなったときに流れたtweetの一つがこちらです。日付は2017年12月12日となっています。
https://twitter.com/sherlockeditor/status/940724440979054592

写真が4枚あるうちの2枚目は白黒の写真に白字でPaul Annettのサインが入っていて、サインの宛名として書かれている名前(名字は書いてありません)がこのtwitterの主の名前と一致します。サインの最後に"2014"とありますから、2014年9月に行われた"Gillette to Brett IV"で、Paul Annettから直接サインをもらったのでしょう。("Gillette to Brett IV"についてはあらためて別の記事で触れるつもりです。)

そしてこの写真がちょっと素敵な舞台裏(behind-the-scenes)の写真なのです。これはThe Copper Beeches(ぶなの木屋敷の怪)の撮影時ですね。221Bの部屋で、ハンター嬢を演じたNatasha Richardsonが椅子に座っていて、監督のPaul Annettが寄り添い、ジェレミーが後ろに立っています。3人ともいい笑顔です。

で、気になるのはジェレミーの左手、親指と人差し指と中指で何かを持っているように見えるのですが、これ、なんでしょう?私には、小さな白っぽい円筒形のもの、上面が色が濃い何かにみえます。そして、何も気づいていないPaul Annettの頭の方に、後ろからその色の濃い部分を少し傾けているようにみえるのです。白黒であることもあって、はっきりとはわかりません。でも最初みたとき、ふただけ黒い、太めのマジックペン?ふただけ色が濃い、卓上塩入れ?それとも小さなマイク?と思いました。ジェレミーが何かいたずらしているのかしら。そして傾けている先は明らかに、NatashaではなくPaulなんですよね。

茶目っけのあるジェレミーなら、後ろからいたずらしているというのもありうると思うのですが。うーん、わかりません。どうお思いになりますか?でもとにかく、撮影当時の雰囲気を想像できる、よい写真です。

RM
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