Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

以下の記事の最後の部分です。

Holmes at his best in public TV series
by Daniel Masloski
The Evening News, March 26, 1985
https://news.google.com/newspapers?id=8INGAAAAIBAJ&sjid=zzENAAAAIBAJ&pg=1314,2971986

ドイルは子供のようにひたむきに、こころの底から人生を、ひとを、自然を愛した。そして自分のうちにある喜びと悲しみを、作品の中にあらわす術を知っていた。この愛、この才能こそがホームズ物語を単なるミステリー以上のものにしている。そしてこれこそが新しいホームズ・シリーズを単なるテレビ番組以上のものにしているのだ。さあ、ご覧あれ!

Doyle loved life, people and nature with a child-like fervor and innocence and knew how to communicate his joy and sadness in existence. This love and this talent are what make the Sherlock Holmes stories more than mere mysteries. And they are what make the new series more than mere television. Enjoy!


この筆者はホームズが好きなだけでなく、ドイルの才能を高く評価しているのですね。そしてそれは、ジェレミーも同じでした。

この新聞記事を読んで思うのは、原作に忠実なドラマをつくろう、ドイルを大切にしようというプロデューサーとジェレミーの志を理解して評価している、ということです。ジェレミーは嬉しかっただろうと思います。

さて、それではジェレミーの手紙です。こちらにあります。
https://www.worthpoint.com/worthopedia/jeremy-brett-autograph-personal-1731400044

ジェレミーからのお礼の手紙(1)」でこの手紙について説明しました。繰り返すと、手紙はニューヨークからで、ニューヨークのMilford Plaza ホテル備え付けの便箋に書かれています。便箋には"April 13th, 1985"とあります。手紙の本文を出品者が書き起こしてくれています。

Masloskiさん
          単刀直入に言いましょう。
ありがとう。  あなたが書いた「S. H. の冒険」の
批評記事をたった今、マンチェスターのグラナダスタジオにいる
プロデューサーのMichael Coxに電話をかけて、
読みあげたところです。
プロデューサーは私がそうだったのと同じように、
見識のあるあなたの批評に大喜びでした。
誰でもドイルのホームズ物語に取り組むときには、
はじめは爪先立ちでひっそりと歩き始め、
そしてそのまま爪先立ちで進み続けるのです。
考慮すべきことがたくさんありすぎて、
ほんの小さな足跡さえ残す気にはなれないのです!

Dear Mr. Masloski,
         Quite simply,
Thank you.  I have just read
your review of "The Adventures of S. H."
to my Producer Michael Cox over the
phone at Granada Studios Manchester,
and his reception was as complete
as mine has been, of your enlightened
critique. One starts with Doyle
on tip-toe and proceeds on tip-toe—
there is so much to touch on
dramatically that one hardly dares
even leave a tiny footprint!


英文の方は、手紙における字の配置がわかるように、原文とあわせた場所で行をかえました。"Quite simply"が手紙本文の一行目の右にあって、次の行の最初に"Thank you"があります。出品者は"thank you"と小文字で書いていますが大文字にみえました。ここの文字の配置、なんだか好きです。

最後の二行は便箋の次のページのはじめで、残念ながら出品者が提供している写真にはこの部分はうつっていません。ですから行かえの場所は違っている可能性があります。

ここを含む「爪先立ち」の部分、意味がわかりにくかったのですが、手紙のこのあとの部分にも関係しますが、制作には不安が多くあったことを言っているのではないでしょうか。ホームズ物語の真髄を損なっていないか、シャーロッキアンに受け入れられるのか。一般の視聴者はホームズには飽き飽きではないか、古ぼけた物語としてではなく楽しんでくれるか。

グラナダ・シリーズの成功を知っている今の私たちからすると信じられませんが、1984年の夏にThe Final Problemの撮影が終わったとき、そのあとの制作について、しばらくは何も決まっていなかったとMichael CoxがA Study in Celluloidに書いています("For a while there was no decision about bringing Holmes back to life.")。

でも視聴者の反応、そして批評家の言葉で報われる日がやってきました。

続きは次回のつもりです。

RM

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