Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

昨日急に思い立って "David Burke" でネットを検索してみたら、いまちょうど公演中でした。お元気で仕事を続けていらっしゃるのがうれしくて、劇場のウェブサイトとそこにある写真をご紹介します。

ウェブサイトがこちらです。
http://www.donmarwarehouse.com/whats-on/donmar-warehouse/2013/roots

Arnold Weskerが1959年に書いた "ROOTS" というお芝居です。公演は10月3日に始まっていて、11月30日までだそうです。各紙の劇評もよいようで、このウェブサイトのページで短く引用されている3つの批評では、星が4つ、5つとついています。

このページには写真があって、その中でデイビッドが写っているのは、リハーサルと公演、それぞれ1枚ずつです。

公演の時の写真はこちら、リハーサルの写真がこちらです。(この二つのリンク先のアドレスの最後の6文字を削ると、ものすごく大きな写真になります。コンピュータのコードに無知でよくわからないのですが、大きな写真をアップロードしているけれども、この6文字を加えることで、普通にネットでみる時には大きさを制限しているということでしょうか。)

1枚目、がっしりしたからだつきが、よくわかりますね。2枚目、ぼんやりした表情ですが、これは役の上でしょう。

舞台のお芝居では、劇場の隅々まで舞台上の表現を届けることが要求されて、それはおそらくとてもエネルギーがいることなのだろうと想像します。デイビッドが今もコンスタントに舞台に立ち続けていらっしゃるのは、なんと素晴らしいのでしょう。昨年の秋と2009年のお芝居については、「David Burkeのお誕生日です」の記事でご紹介しました。



同じ劇場での2010年の芝居もご紹介しましょう。"THE PRINCE OF HOMBURG" という1809-10年の戯曲からの芝居で、上の劇とは違ってコスチューム劇なので、また違った格好よさがあります。

写真が載っているページはこちらです。

これが公演時の写真、これがリハーサル時のものです。リンク先のアドレスの最後の6文字と写真の大きさの関係については、先程のページと同様です。1枚目、堂々とした姿です!2枚目、衣装はつけずに、手に台本とペンを持ったリハーサル風景です。

今日の4枚の写真を見て、お年を召してさらに格好よくなられたと感じました。どうぞこれからも、私たちにお元気な姿を見せて下さいますように。

RM
トビィさんが昨日、「今日はDavid Burkeのお誕生日です」の記事にコメントを下さって、「最近見た画像ではいい感じに年齢を重ねられて、 渋さが増してますね 」と書いてくださいました。私もそう思います!それで、この1年間ではどんなお仕事をなさったのかしら、現役でいらっしゃるといいなあと思って、検索してみました。

そうしたら、去年の9月から10月にかけて、舞台にたっていらしたのですね。写真がついている記事もありましたので、ご紹介します。

"Choir Boy" という演目で、教師の役のようです。たとえばThe Guardianは5つ星をつけていますから、とてもよい舞台だったのですね。こちらは劇評へのリンクを集めたサイトのページです。
http://www.theomnivore.co.uk/theatre/8617-Choir_Boy/Default.aspx

写真はまずはこちらは、劇場のホームページから。小さいですけれども。
http://www.royalcourttheatre.com/cast/david-burke?production_id=864

こちらは写真が載っている劇評です。
http://www.theartsdesk.com/theatre/choir-boy-royal-court-theatre
写真のアドレスです。
http://www.theartsdesk.com/sites/default/files/images/stories/THEATRE/aleks_sierz/choir2.jpg

こちらは別の、シアターガイドのサイトです。
http://www.britishtheatreguide.info/reviews/choir-boy-royal-court-the-8016
写真のアドレスです。
http://www.royalcourttheatre.com/files/images/applicationfiles/864.8999.Untitled5/700x650.fit.jpg

うわあ、格好いいし威厳があるし、なんていいお年寄りになられたのでしょう!

RM

追記:
覚え書きとしていくつかのアドレスを書いておきます。こちらはBritmovieというフォーラムの、デイビッドのことが載っているスレッドです。写真もいろいろあります。
http://www.britmovie.co.uk/forums/actors-actresses/107521-david-burke.html

こちらには2009年The Wyndham's Theatreで、Jude Law(ジュード・ロー)のハムレットの時に墓堀りを演じた写真が載っています。
http://www.donmarwarehouse.com/en/whats-on/donmar-warehouse/2009/hamlet.aspx
写真のアドレスです。
http://www.donmarwarehouse.com/~/media/Images/Gallery/Web/Productions/2009/Hamlet%20Production/DWhamlet2009_03931-Edit.ashx?mh=500
リハーサル写真へのリンクです。
http://www.donmarwarehouse.com/~/media/Images/Gallery/Web/Productions/2009/Hamlet%20Rehearsal/David%20Burke%20by%20Marc%20Brenner.ashx?mh=500

こちらはフォトサービスのサイトです。
http://elliottfranks.photoshelter.com/
2011年に奥様と共演した舞台、Danger: Memory!の写真がたくさんと、今回ご紹介したChoir Boyから、デイビッドが写っている2枚の写真が、うすいwatermark入りで載っています。

たとえばDanger: Memory!の写真から1枚。アドレスが長過ぎるのでアドレスは書かずにリンクだけを。きれいな目です!こちらです
この芝居については、以前「David Burkeの近況;お芝居と映画」でも簡単にふれました。
Choir Boyからの写真は、例えばこちら
トビィさんが「青年Edward Hardwicke;"The Men of Sherwood Forest" (1954)の一場面から」のコメント欄で書いていらしたように、エドワードはコメディが好きで、コメディアンになりたかったといくつかのインタビューで話しています。たとえば以前「補遺、備忘録 その2(David BurkeとEdward Hardwicke)」の記事中でご紹介した、The British LibraryのTheatre Archive Projectで録音された2007年のインタビューでは、こう言っています。

私の興味はシェークスピアだけではありませんでした。シェークスピア劇を演じるのはとても好きでしたが、自分が特に向いているとは思わなくて、コメディの方にもっとひかれましたし、コメディアンになりたかったのです。

And my interests were wider than that. I mean, I love doing Shakespeare. I never thought of myself as particularly good at it, and so I was more interested in comedy and being a comedian [....]


舞台で演じるコメディ(喜劇)としては、エドワードはシェークスピアも含めてたくさん演じていたと思いますが、テレビの、それも(1970年代の)現代作品のコメディにゲスト出演している映像をYouTubeでみつけて、生き生きと楽しそうなのがうれしかったので、記事にしたくなりました。

その前にお断りですが、市販されているものはYouTubeにあってもアドレスを書かないようにしていたのですが、今日NPR (National Public Radio; アメリカの公共ラジオ局)のサイトをみていて、DVDが市販されているシットコムの中のあるエピソードがYouTubeにアップロードされているものに、リンクを貼っているのに気づきました(http://www.npr.org/2013/03/25/175265720/)。これが、作品全体ではなくシリーズ中のエピソードだったからなのか、基準がよくわかりませんが、公共放送のウェブサイトでもそうなのだなあ、と妙に感心して、エドワードが出演したシットコムの中の各エピソードのアドレスを今日は書いておきます。

これは、BBCで放映されたコメディの "Some Mothers Do 'Ave 'Em" のシリーズ1・エピソード7の、"The Employment Exchange" (1973) です。
http://youtu.be/pneYwXTBUO8?t=2m7s

2分7秒からエドワードが出演します。憎めないけど困り者の主人公がしょっちゅう職業紹介所に来て、職を得てもすぐに馬鹿げた理由で職を失い舞い戻ってくるのに、エドワード演じる所員がもううんざりしています。主人公がやってきたのを見て、カウンターの向こうに衝動的に隠れて、その後所長に呼ばれて出て来る時の顔が、もうなんとも笑っちゃいます。その後で主人公や所長に応対する時の、うんざりしたり怒ったりあきらめたり、という表情の変化がすごく好きです。こういう演技を見るのははじめてだったので、ご紹介したくなりました。

この作品では、シリーズ3(1978)の"Australia House" でも別の役(オーストラリア移民局の役人のようです)でゲスト出演しています。
http://youtu.be/b1V1pgrTwwU?t=14m35s

14分35秒からエドワードが出ます。登場した時から挙動がちょっと妙ですよね。そしてたとえば22分20秒ぐらいから堪忍袋の緒が切れかかり、24分15秒には机ばんばん叩いて、自分の頭もばんばん叩いて、さらにこの後大変なことになります。シリーズ1とはまた違ったドタバタ喜劇をエドワードが演じています。

RM
前回の続きを書くつもりだったのに、記事がみつかりません。先日、「女性の直感と子供の感受性(1)」を書いた時には確かにみつけていたのに、どの雑誌(それともGoogle News Archiveの記事?)だったでしょうか。これからはちゃんとメモしておかないといけませんね。みつかったら、また書くつもりです。

それで今日はEdward Hardwicke(エドワード・ハードウィック)の出演作品をご紹介しようと思います。

二十代初めのエドワードの映像をはじめてみました!

これをみつけるきっかけになったaveleymanというサイトについては、以前に「Colin Jeavonsのこと (4)」の記事の中で簡単にご紹介しましたが、IMDbとはひと味違った映像作品データベースです。

ここのエドワードのページをみていて、表の一番上の写真にびっくり。
http://www.aveleyman.com/ActorCredit.aspx?ActorID=7433

1954年の"The Men of Sherwood Forest"という映画に、名前は正式にはあがっていないけれども、出演しているというのです。そしてこの作品はYouTubeに今現在あります。ただ、DVDが販売されているようですので(http://www.amazon.co.uk/dp/B002BI2ID6)ここにはアドレスを記しません。興味があるかたは、「The Men of Sherwood Forest 1954」で検索してみてください。40分10秒から41分30秒までの短い出演ですが、敏捷に森の中の道を走って来て、川で顔を洗い、また走り出すところからはじまります。台詞の後また駆け出して、でも最後に背中を弓で射られて倒れます。

はじめは、これ本当にエドワードかしら?と確信が持てなかったのです。顔が若いのはともかく声がずいぶん違うようにきこえたので。でも何度かきいているうちに、やっぱりエドワードの声の調子がきいてとれるように思えました。それからもちろん顔も若くて、でもやっぱりエドワードですよね?はつらつとした若者で、子鹿のようです!

(追記:その前の33分9秒から25秒までにも出ていました。この横顔はやっぱりエドワードです。)

RM

追記:エドワード扮する若者が話しかけている男、どこかでみたことがあるなあと思っていたのですが、Douglas Wilmerだそうです(http://www.britmovie.co.uk/forums/showthread.php?t=100534&page=8&p=2102814&viewfull=1#post2102814)。彼もホームズを演じていますね。そして多分それが理由で、BBCのSherlockにもカメオ出演しているようです。
インタビューの続きです。(追記:補足説明です。このインタビューアは「犯人は二人」の台本をジェレミー・ポールからみせてもらっていますが、作品はまだみていません。)


SS: ジェレミー・ポールは「犯人は二人」の台本の中で、ハドスン夫人にいつもと違うことをさせようとしていましたね。

RW: ええ、ジェレミー・ポールとはこれまで仕事をしたことはなかったのですが、今回ちょうど今日と同じようなことを話して、ハドスン夫人について私が感じていることを伝えました。そして、ちょっと喜劇的な要素が中に少しあると素敵だと、二人とも思いました。ほんのちょっとくすっと笑えるようなのが、いいんです。だって、あの話の中にはコメディといえるところはあまりないんですもの。そんなには笑えませんよね。そしてそんな感じでもう少し私が演じる部分があったのが、とってもうれしかったのです。

SS: 2時間ものですね?

RW: そうです。イギリスでは昨年のクリスマスの特別番組で、とても素晴らしかったです。撮影スタッフも素晴らしかったし、制作費もずいぶんかけました。とてもよい作品になっていると思います。

SS: アメリカでも放映されるのを楽しみにしています。ジェレミー・ブレットは、ホームズの正典すべてを映像化するつもりだと発表しました。ジェレミーと一緒に、シリーズを最後までやりぬくこころの準備はできていますか?

RW: ああ、本当に!少し前にジェレミーと電話で話したんですよ。「私たちは80歳代になってもこれを演じているでしょうね!」って(笑い)。でも、ご存知のようにこの前のシリーズが終わった時、私たちはもうこれで最後だと思っていたのです。ジェレミーはとても疲れていて、私たちはみんなさよならを言って、でももうこの先がないなんて信じられない気持ちでした。そしたらジェレミーがもう少し続けると言ったので、私たちは本当に喜びました!ちゃんと体調を整えておくつもりですよ。毎年歳とっていきますけど、そして私はハドスン夫人としてはちょっと歳をとりすぎたように思いますが、でもメイキャップ班が助けてくれるでしょう。もちろん、とてもきついコルセットをつけているんです(笑い)。


SS: Jeremy Paul tried, with his recent script for THE MASTER BLACKMAILER, to give Mrs. Hudson more to do.

RW: Well, I was lucky, because I didn't know him before. But we had a conversation, rather similar to this, in which I spoke to him about my feelings regarding Mrs. Hudson, and we both felt that it was nice to have the occasional touch of comedy, you know? I like a touch, because there isn't very much comedy in the stories. You don't get many laughs, really. And it was very, very pleasing to have a bit more to do, I have to say.

SS: That's a two-hour program, isn't it?

RW: Yes, it is. It was a Christmas special here last year, and it's wonderful in everything. They had a marvelous crew and they spent a fortune on it, so it should be a very good one.

SS: We look forward to it. Jeremy Brett has announced that he intends to complete the entire Sherlock Holmes Canon. Are you ready to go the distance and complete the series with him?

RW: Oh, God! I said to him on the phone not long ago, I said, "We'll be doing this in our 80s!" (Laughs) But, you know, when the last series came to an end, we thought that was it. Jeremy was very tired, and we all said goodbye, and we couldn't believe that it wasn't going on, really. Then when Jeremy said he would do some more we were so delighted. Absolutely! I will hold myself together. I'm getting older every year, and actually I feel I'm a bit old for Mrs. Hudson, but makeup departments can help. I do wear a very tight corset, of course! (Laughs)



ロザリーの聡明で快活な様子が、インタビューから感じられます。

「犯人は二人」の中での、ちょっとくすっと笑えるようなところ、というのは多分、レディ・エヴァにスープを持って来てあげて、ホームズが、邪魔だ、と文句を言っても意に介さず、ワトスンにほめられる、あのシーンだと思います。たしか、スープ皿を下げて廊下に出たところで、ハドスンさんはにこっと笑っていたと記憶しています。

ホームズ物語を全部映像化する、80歳代になっても、というところを読んで、あまり悲しい気持ちにならないでくださいね。私も最初に読んだ時には胸がきゅっと痛みましたが、でもそれよりも、ジェレミーとロザリー、そしてグラナダのチームがこんなに仲が良くてこんなに撮影を楽しんで、撮影が続くのを楽しみにしていたことを喜びたいと思います。

そして、ジェレミーとロザリーが電話でおしゃべりする様子を想像して、うれしくなりました。

RM
ハドスン夫人を演じたRosalie Williams(ロザリー・ウィリアムズ)のインタビューをご紹介しているシリーズの4回目です。1992年のインタビューで、RWがロザリー、SSがインタビューアです。

追記:ナツミさんのブログの「ミセス・ハドスン」もどうぞご覧くださいね。うれしいことに、私のこのシリーズへの「勝手に連動企画」として、現代版ハドスンさんと原作のハドスンさんの比較をしていらっしゃいます。


SS: David Burke(デイビッド・バーク)と Edward Hardwicke(エドワード・ハードウィック)の二人のワトスンと演じる時、 何か違いがありますか?

RW: 全然違いは感じません、二人とも似たタイプの俳優ですから。役の演じ方が似ています。でもいったんハドスン夫人としてセットに入れば、 芝居の相手がどんなふうであろうと私はそれに反応するだけなのです。それぞれのワトスンに対して自分の演じ方をかえたということはまったくありません。

SS: 観ていてとてもうれしいのは、ハドスン夫人とワトスンがお互いにあたたかい気持ちを持っていること、そしてワトスンが気持ちよく暮らせるように、あなたが気にかけていることです。シリーズの最初からそうでしたね。

RW: そう、彼らは言ってみれば私の子供のようなもので、大切に思っているのですもの。これには私の解釈もまじっているのかもしれません。私自身がそういう性格なんです。厳しい老婦人ではなくて優しいタイプだと思いますよ(笑い)。ハドスンさんを生きた人間として演じたいと思いました。それが大切なことです。紙から切り抜いたようにはしたくないのです。
(中略)
ハドスン夫人とホームズの関係を描くのに、私たちがやり過ぎてはいないことを願っています。時には監督が「いや、それはちょっと」と言うかもしれません。ある場面で、ジェレミーが私に花を捧げたいと提案したことがありました。マリーゴールドの小さな花を渡して、ホームズの気持ちをそっとあらわしたのです。とても素敵なシーンでした。コナン・ドイルが書いたものではなくて、私たちが演じている時に生まれたものでした。でも私にとってはそのおかげで、役にいのちが吹き込まれたのです。


SS: Has there been any difference playing opposite the two Watsons, David Burke and Edward Hardwicke ?

RW: None at all, I would say, because they are similar actors. They play in a similar style, but once I'm on that set as Mrs. Hudson I just react to whatever character comes on. I really can't say I've made any adjustments between those two.

SS: We like very much the warmth between Mrs. Hudson and Dr. Watson, and your concern for his welfare. That's been in the series from the very beginning.
RW: Well, they're my boys, as it were, and I care for them. That may be partly my interpretation, because I am that type of personality myself; I do think I play soft rather than as an old dragon. (Laughs) I wanted her to be real, that's the main thing; I didn't want her to be a cutout figure.
[...]
I hope we haven't overstepped the mark in the relationship. Sometimes the director will say, "Oh, no." In one, Jeremy wanted to give me a flower. He gave me a little marigold, just as a little gesture. It was very sweet. It wasn't Conan Doyle; it was just something that happened when we were playing. But it rounds off the character for me.



セットでは役として自然に相手に対応するという感じ、なるほど、と思います。一人の生きた人間としてのハドスン夫人を演じたいと言っていますが、私たちの前に本当にそのようにハドスン夫人をみせてくれましたね。それから、ハドスン夫人の中にロザリー自身もまたあらわれているのですね。

"Well, they're my boys, as it were, and I care for them." のところ、二人のワトスン(だけ)ではなく、ホームズとワトスンのことを言っていると、文脈から解釈しました。「ハドスン夫人とホームズ;Rosalie Williamsの1992年のインタビューから(1)」で引用した、これに先立つ部分で、ハドスンさんは「ホームズのお母さんみたいな人」だと言っていますし、今回の引用部分の後半でハドスン夫人とホームズの関係を引き続き話していますから。

その後半部分では、「海軍条約事件」でのホームズがハドスン夫人に花を捧げる場面について話しています。「ホームズがハドスン夫人に花をささげる場面;Rosalie Williamsのインタビュー(1996)より」で以前引用した部分でも話してくれました。そのシーンに役として臨んだ時に生まれる工夫や思いつき、こう演じたいという気持ちによって、役が生き生きと動き始めるのですね。そしてジェレミーとロザリーの撮影現場での気持ちの通い合いが目にみえるようです。

RM
Rosalie Williams(ロザリー・ウィリアムズ)のインタビュー、もう少しご紹介します。

最初に半分覚え書きとして書いておきますが、ロザリーのグラナダ・シリーズに関するインタビューで私が知っているのは、今日も引用する1992年のものと、ジェレミーが亡くなった後に雑誌(Scarlet StreetとThe Ritual)の追悼号に載ったものの計3つです。それ以外に、2007年に出版されたEwan MacCollという人の伝記のために、2003年にロザリーがインタビューに答えて若い頃の話をしています(http://www.amazon.co.uk/dp/0745321658)。ロザリーの消息で私が知っている一番最近のものは、IMDbの掲示板(http://www.imdb.com/name/nm0931600/board/nest/71951114?d=120741846&p=1#120741846)にある、Rosalieのマンチェスターの家の部屋を借りている、という人からの投稿で、2008年10月の日付のものです。今もお元気で幸せに暮らしていらっしゃることを願っています。

さて、今日のところですが、もう少し別のところからも引用したくなったために、前回予告した"my boys"までたどりつきませんでした!前々回の「ハドスン夫人とホームズ;Rosalie Williamsの1992年のインタビューから(1)」の「二人は仲のよい喧嘩相手なんだと思います」と言っているすぐ後の部分です。


RW: ホームズがかんしゃくを起こしても、ハドスン夫人はやりかえせるのです。ハドスンさんが勝つときもあるし、負けるときもありますが、最後には目を輝かせて視線を交わします。まるで「まあ今回はあなたが勝ちましたけれども、次は私が勝ちますよ」と言うように。一瞬のまなざしや身振りかもしれません。二人は --「親友」という言葉はちょっと違いますね -- でも二人はお互いのことをよく理解していて、言わば仲良く暮らしているのです。

RW: When he throws a tantrum, she can come back at him. She may win or she may lose, but at the end of it, there will be a twinkle between them as if to say, "Well, you won that time. But I'll get you next time." It may only be a glance, you know, or a gesture. They're still—not good friends; that's not the right way to put it—but they understand each other and they live together in a sort of harmony.



「女主人」として、そして「お母さん」としてのハドスン夫人以外に、対等な喧嘩仲間、という面もロザリーは話してくれています。「二人はお互いのことをよく理解していて」というのを読んで、あたたかい気持ちになりました。このインタビューは読めば読むほど、全部引用したいくらいに好きになります。

RM
新年のお慶びを申し上げます。皆様も私自身も、あたたかい気持ちですごせる一年であることを願っています。そして今年もこの場所にも時々おいでいただいて楽しんでいただければ、望外の喜びです。

今年最初の記事です。年末に引き続き、あたたかい気持ちになれるハドスン夫人にまつわるお話です。


ハドスン夫人とホームズ;Rosalie Williamsの1992年のインタビューから(1)」では、ハドスン夫人を演じたRosalie Williams(ロザリー・ウィリアムズ)が、ハドスン夫人とホームズの関係について話していました。同じインタビューから、今度はワトスンのことも含めて話している部分をご紹介しましょう。SSがインタビューア、RWがロザリーです。


Holmes' Sweet Home
An Interview with Rosalie Williams
by Richard Valley

Scarlet Street, pp.24-29, No.8, 1992

SS: ハドスン夫人はワトスンのことをどう思っているのでしょう?

RW: 二人は友情で結ばれている、と言うのがよいと思います。二人ともホームズのことをこころから大切に思っていて、ある意味では協力してホームズの世話をしています。ハドスン夫人はドクターのことがとても好きで、親しみを感じています。とても尊敬しているのです。ホームズとの間よりも、ワトスンとの関係はもっとおだやかで、でも一番大切なことは二人は一緒にホームズの面倒をみていて、ホームズがむちゃくちゃなことにならないように気をつけているということです(笑)。私が演じているハドスン夫人はたいていの場合はホームズとワトスンの間でおこることをみているだけなのですが、それがハドスン夫人とワトスンが共有しているものなのです。扱いがとてもむずかしくて、それと同時にとても愛すべき人であるホームズを一緒に見守っているのです。

SS: How does Mrs. Hudson view Watson?

RW: I feel it's more companionship with them, because they share an affection for Holmes and, in a sense, they manage him together. She's very fond, I feel, and very friendly with the doctor. She has great respect for him. It's a gentler relationship, but the main thing is that together they share this business of looking after Holmes and seeing that he doesn't go crazy. (Laugh) Very often my part is no more than a look between the two characters, and that's what they share, really; this man who can be so awful to deal with and at the same time so endearing.



ホームズを二人で見守っているということ、これもまた、私たちがグラナダシリーズを観ていて、言葉にすることはなくても感じていることだと思います。でもそれを、夫人を演じるロザリーの口からきけるのが、とてもうれしく感じられました。そしてそういうハドスン夫人を映像の中の演技だけで感じさせてくれるロザリーは、本当にすばらしいと思います。

今、「言葉にすることはなくても感じていることだと思います」と書きましたが、私がこれを言葉としてはじめて読んだのは、葉月さんのブログ「at Bake Street」でした。「エドワト→お母さん仲間、もしくは頼れる主治医。」これを読んで、そう言われればそう!とあらためて思いました。これに限らず葉月さんの文章は、何となく感じていたことを言葉にしてくださったり、目からうろこだったりで、今は更新がとまっていますが、ワトソニアンの葉月さんのブログはとても大好きな場所でした。久しぶりに読み返しています。

今回は「お母さん仲間」としてのハドスン夫人とワトスンでしたが、次回はロザリーが "They're my boys, as it were. (ふたりは子供みたいなものですもの) " と言っているところも含めて、ご紹介しましょう。

RM
クリスマスを前にして何を書こうかなあと考えて、そうだ、私たちの大好きなハドスン夫人、Rosalie Williams(ロザリー・ウィリアムズ)のインタビューから少し引用しよう、と思いつきました。

ハドスン夫人とホームズの関係について語っている箇所の一部分をご紹介します。このインタビューはそれ以外の話題についても話していて、かなり長いのですが、それはまた後日。

ロザリーが、ハドスン夫人は単なる家政婦ではない、家主・女主人で、彼女なりの暮らしのルールを持っている、と語ったあとです。RWはロザリー、SSはインタビューアです。


Holmes' Sweet Home
An Interview with Rosalie Williams
by Richard Valley

Scarlet Street, pp.24-29, No.8, 1992

SS: 彼女のルールのもとであの家が動いているのですね。ホームズが自分の部屋で書類をあちこちに投げ散らかすこと以外は。

RW: そのとおりです!ハドスン夫人とホームズの関係について、それでわかることがあります。まず第一に、ハドスン夫人はホームズのことがとても好きなのだと思います。もしもそうでなければ、夫人はホームズと一緒に暮らすなんてできないでしょう。あの気性で、かんしゃく持ちなんですもの。でもホームズも家の中のことに関しては、夫人のやりかたにある程度は従わなければなりません。女主人にね。夫人はホームズのことをとても好いていて、そして彼のことをとてもよくわかっているので、ホームズが次にどううごくか予想がつきます。ホームズのお母さんみたいな人、ホームズの世話をして、身のまわりのことを全部やってあげて、でもホームズに、「だめです!」と言える人なんです。わかってくださると思いますが、二人は仲のよい喧嘩相手なんだと思います。



俳優は演技で全てを語るものだとも言えますが、でもこうやってロザリーがハドスン夫人のことを語ってくれるのをあらためてきくと、演じている時の気持ちが感じられる気がしてうれしくなりました。

このインタビューを読むと、ロザリーがとても知的で、そしてあたたかい人だということがわかります。そしてジェレミーとロザリーが友人として、仕事仲間として、お互いに大好きだったことも感じられます。

グラナダシリーズはこのハドスン夫人を得て幸せでした。そして、ホームズにこんな「お母さん」がいて、ジェレミーにこういう友人・シリーズ全部にわたる共演者がいて、本当によかったとあらためて思います。

(英語の原文は後で書き写すつもりです。)

RM

追記:ハドスン夫人のやさしい顔とおこった顔と、両方載せたくなりました。「青い紅玉」からです。おこった顔も大好きです。

MrsHudson1.jpgMrsHudson2.jpg

今日は、ジェレミーがうつした、Colin Jeavons(コリン・ジェボンズ)とDavid Burke(デイビッド・バーク)の写真です。

ジェレミーが撮影現場でスタッフやエキストラや共演俳優のスナップ写真を撮って貼り出して、皆で楽しい笑いをわかちあって、あたたかく親しい雰囲気が生まれるようにしたというエピソードを、どちらのワトスンも話してくれています。ここではデイビッドの言葉からご紹介しましょう。小冊子 The Ritualの1995年秋号からです。


[...] 皆がチームの一員だと感じるような雰囲気を、ジェレミーはつくってくれました。たとえばスクリプターが持っているようなポライドカメラで、シャッターチャンスを逃がさず写真を撮っていました。共演俳優だけでなく、むしろクルーやエキストラの写真の方が多かったです。そしてそれを貼り出したので、みんなが見て楽しく笑ったものでした。ジェレミーはくすくす笑えるような写真をよく撮っていたからです。

[...] Jeremy was also very good at making everyone feel part of a team. One little thing that he did was to grab the Polaroid camera which the continuity girls used now and then and whenever he saw a photo opportunity he would take pictures - not particularly of the actors but more often of the crew and the extras. Then he would put them all on a board and everyone would have a good laugh at them because he usually managed to find people in funny positions and so forth.



そしてこの写真はLinda Pritchardの本からで、ジェレミーがうつしたものだそうです。なおこの画像ファイルは、先日ご紹介したコリンのファンサイトにあったものです。
Source: http://www.geocities.ws/lestradeGallery/gallery/SHbkSleepyPhotoByBrett.htm

SHbkSleepyPhotoByBrett.jpeg

この写真も貼り出されたのでしょう。その時の二人の反応を想像すると、楽しいですね。


それから、今日の写真とはまったく関係ないのですが、ちょっと覚え書きです。検索していてみつけたaveleymanというサイトは、一般の人が運営していている俳優、映画、テレビ作品のデータベースで、アマゾンが運営しているIMDbとはまた違った楽しさがあるようです。下のアドレスはコリンのページです。
http://www.aveleyman.com/ActorCredit.aspx?ActorID=8708

これをみているうちに、コリンが1967年にPeter Cushing主演のFrankenstein Created Womanに出ていたらしいとか、1976年(IMDbでは1975年)のDiagnosis: MurderではChristopher Leeとも共演していたということがわかって、ホームズとつながってるなあと思いました。Peter CushingもChristopher Leeもホームズを演じている俳優ですから。

覚え書きついでにもう一つ。このデータベースには残念ながら記載がないのですが、IMDbによれば、テレビシリーズのThe Baker Street Boys(1983年)ではコリンはモリアーティ教授を演じたそうです。みてみたいですね。映像化されたホームズ作品を解説した本を2冊もっていますから、何か情報がないか、後でみてみましょう。

RM

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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