Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

嬉しいことに、ジェレミー出演作品がDVDになります。1973年のBBCのドラマ "A Picture of Katherine Mansfield" で、当時5回シリーズとして放送されました。全部で307分となっていますから、1回1時間ですね。これは過去にビデオとしても発売されていなかったので、まったくのはじめてです。

イギリスアマゾンのページはこちらです。10月5日発売となっています。
http://www.amazon.co.uk/dp/B00XNB1JXU
今のところ日本のアマゾンにはページがありません。もう少ししたらできるかもしれませんね。

数ヶ月前からイギリスアマゾンに名前があがっていたのですが、書影...というかDVDのパッケージ画像が掲載されていなかったので、発売がどこまで確実かわからず、ご紹介をためらっていました。でも先日アマゾンに画像があがって、さらにYoutubeに紹介映像がアップロードされましたので、もう間違いないですから大喜びでここに書きます。

発売元のSimply Mediaのぺージはこちらです。写真が一枚、そしてこのDVDの説明が書かれています。
http://www.simplymedia.tv/smymedia/a-picture-of-katherine-mansfield/

このページの説明によりますと、Katherine Mansfield(キャサリン・マンスフィールド)はニュージーランドで生まれて15歳でイギリスに渡り、主に短編の作家として知られています。23歳でJohn Middleton-Murray(ジョン・ミドルトン・マリー)と結婚し、34歳で亡くなりました。このシリーズは毎回、彼女の生涯を描いた部分と、彼女が書いた短編とから構成されます。

Vanessa Redgrave がこの作家を、そしてジェレミーがジョン・ミドルトン・マリーを演じます。

Jeremy Brett Informationのページにも、この作品の説明と、2枚の写真があります。
http://jeremybrett.info/tv_mansfield.html

そしてYoutubeのページはこちらです。Readers Digest UKのDVD紹介チャンネルのようです。
A Picture of Katherine Mansfield - DVD available 5th October
https://www.youtube.com/watch?v=vdnKGpNCwr0

最初はマンスフィールドの棺に歩み寄るマリー、そしてその後、講演か何かでしょうか、亡くなった妻のことを話しているマリーと、妻との日々の回想場面がいりまじった映像が流れます。


最後に、この作品に関してジェレミーが少し触れている記事のご紹介をしましょう。いつものように演じることにまっすぐなジェレミーですが、実在の人を演じるということで、さらに責任を感じていた様子がうかがわれます。1987年のインタビュー記事からですから、このドラマでマリーを演じた十数年後の言葉で、すでにホームズを演じていたころです。

実在の人物を演じるのは、架空の人物の場合よりもむずかしいですか?

「どっちも大変ですよ!」とジェレミーは笑う。「でももしも実際にいた人を演じるなら、特に家族や親戚がまだ生きている場合は、その人たちがいやな気持ちにならないか気にかけておく必要があります。私はいつもそのことを考えています。」

「"A Picture of Katherine Mansfield"でジョン・ミドルトン・マリーを演じた時、マリーの未亡人から手紙が来ました。『夫をどんなふうに描くか、どうぞよく考えて演じてくださいね。』それを読んで、ずいぶんいろいろと考えました。


Are real people any harder to play than fictitious characters?

"They're both as difficult!" Jeremy laughs. "But you have to be very careful if you're playing a person who has lived, not to offend the relations if there are any still alive. I'm always aware of that.

"I remember when I was playing John Middleton Murry in 'A Picture of Katherine Mansfield,' I had a letter from Murry's widow, saying, 'Please take care how you portray him.' That mede me think quite a lot, as you can imagine."

The Secret of Success
by Christine Palmer
January 17, 1987 [source unknown]

RM
"Playing the Dane"は1994年10月30日にBBCで放映されたドキュメンタリー番組で、"Dane"はデンマーク人ですから、"the Dane"はここではデンマーク王子であるハムレットのことをさします。

この番組の説明を以下のページから引用します。

BFI Screenonline
"Hamlet On Screen"
http://www.screenonline.org.uk/tv/id/566312/

Sir Ian McKellen, Richard Briers, Jeremy Brett, Steven Berkoff, Frances de la Tour, Kevin Kline, Christopher Walken, Christopher Plummer, Stacy Keach, Tom Hulce が、シェークスピアのもっとも難しくもっとも厳しい役を演じた経験を語る。

[A]ctors Sir Ian McKellen, Richard Briers, Jeremy Brett, Steven Berkoff, Frances de la Tour, Kevin Kline, Christopher Walken, Christopher Plummer, Stacy Keach and Tom Hulce discuss the experience of playing Shakespeare's most demanding role [...]


BFIのこちらのページにも記述がありますので、備忘録代わりに記します。
http://explore.bfi.org.uk/4ce2b7dd17ff0
昨年はじまったThe BBC genome projectの、この番組に関するページ。
http://genome.ch.bbc.co.uk/a9194dc869a84315a25921a2980844a1
British Universities Film & Video Councilのページです。
http://bufvc.ac.uk/shakespeare/index.php/title/av36504

1994年10月30日放映で、撮影がいつだったかはわかりませんが、1995年9月に亡くなったジェレミーの最後のインタビューということになるのかもしれません。Jeremy Brett Informationでは"This was one of the last interviews Jeremy gave"と書いていて、一番最後とは限定しきれていないのですが。(追記:「映像での」最後のインタビュー、と書くべきでした。ごめんなさい。)
http://jeremybrett.info/tv_dane.html

ジェレミーがこの番組中で、ハムレットを演じた経験をどのように語っているかはまたあらためて。こんな中途半端な終わり方をするならば、まとめてゆっくり書けばいいのにと思いながらも、ぼちぼちと書くのが性にあっているようなので。

これをご紹介したくなったのは、ここ数回でハムレットを話題にしているからというのが一番ですが、もう一つには、よろこびと悲しみはほとんどの場合別々のものではなく、よりあわさっているということを、このところ感じているからです。ハムレットを演じた自分の経験と、この重要な役についての考えを語る機会を得たことは、ジェレミーにとって大きなよろこびであるとともに、劇場でも映像作品でも、もう主要な役を得ることはできない健康状態である身をあらためて感じる悲しさも、また大きかっただろうと想像します。

人生のほとんどのことは、毎日の小さいことから人生の一大事まで、よろこびと悲しみの両方を同時につれてくるのだろう、そのどちらをもみとめて受けとめて、あとはゆだねて生きていこう、そういう気持ちの今の私に、ジェレミーはそうやって生きて、そうやって亡くなったのだろうと思わせてくれます。

さあ、二時過ぎと遅くなってしまいました。(誤字脱字がありそうだけど、明日訂正しましょう。*訂正しました)ではおやすみなさい。

RM
前回の記事で、「ジェレミーがどんなだったかも想像できますね」と書きましたが、ホームズを演じているジェレミーがあまりに見事にホームズそのものなので、ハムレットを演じるジェレミーは想像できない、という方もいらっしゃるかもしれませんね。

私がジェレミーのハムレットを想像する時のよすがとするのは、前回ご紹介したような新聞や雑誌での批評、ハムレットを演じている写真、そしてハムレットとほぼ同じ時期に、同じシェイクスピア作の悲劇である"Troilus and Cressida"でトロイラスを演じているオーディオブックです。

"Troilus and Cressida"のオーディオブックの中のジェレミーの声を、4回にわたってご紹介したことがあります。ジェレミーの表現は本当に若々しくて情熱的で、音楽的です。こちらはその4回目の記事です。
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その4

この時、Jeremy Brett Informationの前身のウェブサイトであるJeremy Brett Archiveの記述に従って1961年のオーディオブックとしましたが、今回調べ直したらどうも1962年発売のようです。British Universities Film & Video Council のサイトと、俳優Alan Howardのファンサイトの両方でそうなっていました。
http://bufvc.ac.uk/shakespeare/index.php/title/av67234
http://www.alanhoward.org.uk/troilusrecordinfo.htm

ちなみに上記のページにあるキャスト表をみて気がついたのですが、モリアーティを演じたEric Porter、および「プライオリ・スクール」でホールダネス公爵を演じたAlan Howardも出演しています。ジェレミーはホームズを演じる中で、たくさんの古い仲間たちと再会しているということは知っていましたが、20代でこの二人ともすでにオーディオブックで共演していたことには、今回はじめて気がつきました。私が知らないだけで、劇場でも同じ舞台に何回かたっていたのかもしれません。

ジェレミーはホームズのシリーズで古い仲間と久しぶりに会うのを喜んだでしょうね。Edward Hardwickeもインタビューで、この仕事の楽しさの一つとして、そのことをあげていました。どのインタビューだったでしょう、みつかったらまた書きましょう。

RM
胸のカラータイマーが点滅している感じなので、新しく記事を書くよりは、以前書きかけたままになっている文章をさがしてみようと思って自分のブログ記事編集画面をのぞいて、これをみつけました。"Bending the Willow"のeBookの無料で読める部分にあるDavid Burke(デイビッド・バーク)の文章を引用しかけて、途中でとまっていた記事です。11月はじめに書いていたのでした。

"Remembering Jeremy"
By David Burke
In "Bending the Willow" by David Stuart Davies
http://www.amazon.com/dp/B00715DNLA

ホームズを演じるためのものすごい仕事量が、次第にジェレミーの身体的・精神的な健康をそこなわせてしまったのだと思う。この世を去る時、ジェレミーはいくつもの病気を抱えていた。仕事をするために必要な保険に入れないという理由からだけではなく、ジェレミーにとって俳優の仕事自体がもう難しかっただろうと思う。その状態でもグラナダテレビとテッド・ハードウィックの助けによって、ジェレミーは自身の代表作を撮り終えることができた。ジェレミーが演じることができない朝がくるなんて、だれにも考えられなかったはずだ。天上のこころ優しき存在もそう思って、ここで天使たちと共にすべてを祝うようにとジェレミーを天に召されたのだ。

I believe the workload eventually cost him his health, physical and mental. When he died he was suffering from a variety of ailments. It would have been difficult for him to work not least because he would have been impossible to insure. And he had, with the help of Granada TV and Ted Hardwicke, completed his major opus. A Jeremy unable to work in the morning would have been unthinkable. Some kindly spirit up there saw as much, and took him off to celebrate with the angels.


これはデイビッドのジェレミーを偲ぶ文章の一番最後の部分です。同じ俳優としてのデイビッドの、ジェレミーへの気持ちを感じました。エドワード・ハードウィックのことを「テッド・ハードウィック」と書いているのも、エドワードへの親しさと感謝を感じられて、うれしかったです。最後の一文、詩的で優しい表現に涙を誘われました。

その最後の"to celebrate"のところ、どう訳そうかと思って下書きのままで放っていました。ここでは「すべてを祝う」としましたが、

季節の移ろいも、ひとのその時々の喜びも悲しみも、

はだかでこの世に生まれ、時が過ぎてこころもからだも置いてこの世を去り、
それでも何も失われるものはない、ひとという存在も、

そのすべてを祝って。


私はいまそんな気持ちです。でも"to celebrate"のところの訳文にこれを入れたら、これだけで文章の長さが5割増しですね! 

そもそもデイビッドがどういうニュアンスで"to celebrate with the angels"と書いたのか、もしかしたら「天使たちとお祭り騒ぎをするように」と訳した方がよかったかもしれません。私のコンピュータにはじめから辞典が入っていたのですが(ウィズダム英和辞典だそうです)、それには"celebrate"の自動詞の項には

1 (めでたい事柄などを)祝う; 〈司祭などが〉儀式を行う; 祝典を挙行する.
2 ⦅話⦆お祭り騒ぎをする.

とありますから。シャンパンをあけて大きな声で笑いあっているかもしれません。ジェレミーの笑いはうつりますからね!


このeBookについては、以下にも書いています。
Bending the WillowのeBook発売
Bending the Willowの無料サンプルより(David Burkeの文章)
Bending the Willowの無料サンプルより(David Burkeの文章 その2)

RM
ジェレミーが、お互いがお互いの結婚式でベストマンをつとめた、若い頃からの大切な友人Robert Stephens(ロバート・スティーブンス)と映像作品で共演していないのは残念だ、と先日書きました。

でもオーディオブックでは、少なくとも3つの作品で共演しているのを知っています。その内の一つがシェークスピアの"King Richard III"(リチャード三世)で、ロバートがリチャード三世を、ジェレミーがそのすぐ上の兄のクラレンス公を演じています。ジェレミー演じるクラレンス公は、全五幕の芝居の内の第一幕の最後で殺されてしまいます。それでもこの作品、この録音が、私には貴重なものに思えます。

クラレンス公ジョージはロンドン塔に引かれていく途中で、弟のグロスター公リチャード(後のリチャード三世)に会って、兄弟の会話をします。自分が兄のエドワード四世の命で幽閉されるのは、エドワード四世が自分に疑いを持つよう仕向けた弟リチャードのせいであることも知らずに。そしてロンドン塔で悪夢をみたクラレンス公は、ロンドン塔指令にそれを語ります。その後リチャードから差し向けられた二人の刺客が現れ、自分を殺そうとしているのが、信じていたリチャードであることを知ります。嘆願もむなしく惨殺されてしまいます。

ジェレミー演じるクラレンス公は才知にたけた方ではないかもしれないですが気品があって、ロバート演じる弟リチャードの心の中にある底知れぬ沼に気づかず、彼に対して無防備で、最後には無惨に殺されてしまいます。リチャードとの会話の時の、ロンドン塔へ連れて行かれる途中でも気持ちはしっかりしていて、事態の解決への弟の力を信じている様子、悪夢の後での、感情に揺さぶられながら品格も感じられる語り口、そして恐怖にかられながらも刺客にまっすぐに相対した後での、リチャードの本心を知った時の驚きと絶望。

ジェレミーの声は感情を映し出して、この長くない登場時間のあいだで流れるように変わっていきます。音楽的でもあるし、視覚的でもあります。場面を想像して目の前に感じる聴き方もできるし、声の調子だけが音楽のようにからだの中を流れていく時もあります。

ああ、やっぱり私は、ジェレミーの声と台詞回しににじみ出る何かが好きなのだなあと、あらためて思いました。そしてそれは、音だけのオーディオブックで、より純粋に感じられます。映像があると、表情と動きに目が釘付けですから。もちろん、これを実際に目の前でみられたらどんなにいいだろう、という思いは常にあるのですが。

BBCの"Sherlock" でシャーロックとジョンを演じているBenedict CumberbatchとMartin Freemanがそれぞれ、リチャード三世を演じるそうですね。ジェレミーがリチャードを演じていたら、どんなだったでしょう。ロバート・スティーブンスのリチャードは、恨みから来る暗さを突き抜けて、自分の企みのままに進んでいくのを皮肉な目つきで楽しんでいるような印象を受けました。

1967年発売のLPですから、収録は66年頃、ジェレミーは32か33歳といったところでしょう。LPのボックスセットはこんなです。
http://www.amazon.com/dp/B002LLHBIK

これはその後カセットテープになり、デジタルファイルとしての販売も現在ではおこなわれています。しかしカセットテープになった段階で、出演者の名前は3人しか書かれなくなったために、ジェレミーの名前で検索してもみつからなくなってしまいました。オーディオブックにはそのようなものが多いのです。

私はAudibleが扱っているデジタルファイルを購入しました。アマゾンのページでもAudibleのファイルのサンプル音声を聴くことができます。
http://www.amazon.com/dp/B00005484R
左側の画像の下、Listenの横の三角をクリックすると、すぐに聴こえるのがジェレミーの声です。その後ロバートの声が続きます。それからしばらくはロバートともう一人の台詞なのですが、ジェレミーの鼻で笑う声が入ります。それからまた短いですがジェレミーの台詞をきくことができます。

同じ音源を使って、別の会社が音声ファイルとして販売していて、やはりAudibleで購入できます。こちらの方がサンプル中にジェレミーの台詞が少ないです。
http://www.amazon.com/dp/B006HNT1JA

iTunesでもこの作品の購入が可能ですが、Audibleよりも値段が高いです。
https://itunes.apple.com/jp//audiobook/id323643608


興味のある方がいらっしゃるようでしたらと思って、今までこのブログでオーディオブックについて書いたものをあげます。うーん、個人的趣味に走り過ぎでしょうか。いえ、このブログ全体が個人的趣味以外の何物でもありませんね!
詩の朗読のCD (1969年のLPより)
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961)
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その2
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その3
Troilus and Cressida のオーディオブック (1961) , その4
Love's Labours Lost (1974) のオーディオブック再発売
Richard II (1961) のオーディオブック再発売;その1
Richard II (1961) のオーディオブック再発売;その2
Puss in Boots のオーディオブック (1972)

Troilus and Cressida のオーディオブックは、記事に書いたInternet Archiveのページはなくなっていて、現在はJeremy Brett Informationで聴くことができます。
http://jeremybrett.info/media.html

RM
先日、ジェレミーの声やその表現の豊かさのことを書いた時に、オーディオブックも好きだということをお話しました。そこで今日は異色のオーディオブックをご紹介しましょう。

ジェレミーのオーディオブックとしては、シェークスピアの作品が一番多いのですが、その他にバーナード・ショーの作品や、詩を朗読したものなどもあります。でも一番かわっていて、一番愛らしいのは、これでしょう。"Puss in Boots" (長靴をはいた猫)です。

ジェレミーは役柄を演じているのではなく、語り手(Storyteller)です。だから子供達に、そして私たちに語りかけてくれるのです。LPとして1972年に発売され、残念ながらCDにはなっていませんし、デジタル化された音源を販売するAudibleなどのサイトで検索しても、今のところみつかりません。

Jeremy Brett Informationで一部を聴くことができます。このサイトの前身のJeremy Brett Archiveでは、ジェレミーが語る部分のみをつなぎあわせたファイルがアップロードされていましたが、現在はLPのA面全体をおさめたファイルに差し替えられています。

以前のファイルよりも今のファイルの方が音がいいです。そして、つぎはぎではありませんから、話の筋を追うことができます。ただ、以前のファイルでは聴けたB面でのジェレミーの語りを、聴くことができなくなってしまいましたが。

場所は以前から何度かご紹介したことがある、"Sound Files"というセクションで、下にそのリンクを記しています。リンク先のページの上から五つ目の "Puss in Boots.mp3" と書かれたところをクリックすると音声が流れ、右クリックでダウンロードができるはずです。以前もお願いしましたが、「英米の法律で認められる公正な利用(フェアユース)によって、著作権を持たない著作物をこのウェブサイトで使用しますが、読者はこれを営利目的では使用しないようにお願いします」と書かれていますので、どうぞ守ってください。

これがそのページです。
http://jeremybrett.info/media.html

猫の役は Judi Dench(ジュディ・デンチ)です。この女優をご存知の方もいらっしゃるでしょう。今はDame Judi Denchですね。最近では "Philomena" (2013)(あなたを抱きしめる日まで)に主演しました。

この録音の中でのジェレミーの声をちょっとだけここでお聴かせしましょう。33秒間です。途中で長靴をはいた猫と、猫のご主人である、粉引きの三男坊の声も入ります。









この"beautiful"という言葉の言い方、なんて素敵なんでしょう!そして後半、愛らしくてやさしい、上下にゆれる節(ふし)がついているようなしゃべり方も好きです。

私はこれを聴いて以来、"beautiful"という単語に出会うと、このジェレミーの声と調子がこころの中によみがえります。

RM

ご存知のかたもいらっしゃるでしょうが、まだのかたに、ちょっとだけご紹介します。

以下のリンク先に、株式会社アルクの2014年4月4日付けプレスリリースが載っています。

19世紀と21世紀のシャーロック、誌上対決! 『ENGLISH JOURNAL』2014年5月号、4月5日発売

ここにありますように、特別企画が「ベネディクト・カンバーバッチ vs. ジェレミー・ブレット シャーロック・ホームズ新旧対決!」となっています。

ベネディクト・カンバーバッチの情報を載せていらっしゃるサイトで、この特別企画について読むことができます。雑誌のページを撮った写真も何枚かついています。
http://news.benedictcumberbatchfanjp.org/2014/04/cdenglish-journ-342b.html

私も、一人のジェレミー・ブレットファンとしての視点から、この記事を紹介してみます。

・タイトルページ:ジェレミーの写真がいいです。ほぼ同じ構図で、おそらく同じ時に撮られたと思われる写真をネット上で8、9枚くらいでしょうか、知っていますが、これはその内では比較的珍しいものです。こうしてあらためてみると、ジェレミーは目が大きい!

・「はじめに」(全1ページ):このページの右下で使われているジェレミーの写真、裏焼きですね!正しい向きの写真では右側にいるはずのデイビッドのワトスンが切り取られて、反転されています。同じ時に撮影された他の写真が、これにもかなりあります。上であげた写真ほどではありませんが、この写真が使われるのも少し珍しいです。

・「新旧シャーロックを採点」(全3ページ):イギリス人男性とカナダ人女性が、二つの作品を五つの項目に関して10点満点でそれぞれに採点するというもの。採点理由や感想も書かれています。この部分は、二つの作品を観ていない人の興味をひく、あるいはグラナダ版を昔観ていた人に懐かしさを感じさせて、もう一度引き入れる、という役割ははたすかもしれません。でもすでに観ている人にとっては、特に興味深い観点、新しい知識、膝をたたくような解釈はみつからないでしょう(少なくともグラナダ版については、そういう感想を持ちました)。お楽しみ記事としてはいいと思います。それから、時々二人のコメントの中の単語やフレーズを括弧内に英語で記しています。たとえばジェレミーの声を「いぶしたような(smouldering)」と書いていて、こういう表現を知ったのは面白かったです。全部英語の原文も併記してもらえたら、もっとよかったでしょう。(この雑誌のどこかにそれがあるようでしたら、ごめんなさい。まだ全部は読んでいません。)

・「新旧ホームズセリフを大検証」(全3ページ):5つのポイントについて書かれています。しかしグラナダホームズの台詞に直接ふれているのは、最初のPoint 1だけです。あとの4つのポイントでは、現代版の台詞に使われる言葉を解説していて、それなりによかったのですが、グラナダホームズファンとしては、ちょっと残念でした。せっかく英語雑誌で取り上げるのですから、二つの作品の英語の比較に期待していましたから。ただ、BBC版の英語に興味があるかたには、面白いでしょう。

・「ホームズ研究家が語る 新旧シャーロックの見方、楽しみ方」(全2ページ):二つの映像作品、そしてドイルと原作にふれていて、短いですが、面白く読めました。ジェレミーの少年時代の失読症(私の記事中での訳語は、難読症・識字障害)と、発音の明瞭さを関連づけるような記述がありましたが、ジェレミーの言語障害(構音障害)と発音との関連の方を強く思っていたので、この解釈には意表をつかれて興味深かったです。

この後、ベネディクトのインタビューのトランスクリプトが2ページついていました。このインタビューはCDに入っているようですが、まだ聞いていません。

さて、1,512円のこの雑誌を、普段は買っていないけれどもこの号だけ購入するジェレミーのファンがいるとしたら、どんな理由で買うのでしょうか。はい、それは私です。私の理由を書きましょう。

1. 日本での初放送が1985年4月13日、それからほぼ29年がたって、ジェレミーのホームズが英語雑誌に取り上げられたのは、やはりうれしいです。手元に持っておきたい気持ちがあります。でもジェレミーと、そのホームズへの言及の量だけから考えると、すごく高いけど。

2. そう考えるなら高いけど、でもこれは英語雑誌。本来は英語の勉強のためのもので、有効活用することができるはず。

と言う訳です。

これはホームズ初心者、BBC版シャーロックは初心者以前、という、あるジェレミーファンの意見と感想です。他のかた、特にBBC版シャーロックのファンは、また別の感想をお持ちになるでしょう。興味を感じた方は、ご自分で手にとって確かめてごらんになることをお勧めします。

RM
前々回「第四の壁を破る」という言葉をご紹介しましたが、ホームズ以外のジェレミー主演作品で、ジェレミーを含めた登場人物がおおっぴらに大々的に第四の壁を破っている作品がありますので、ご紹介しましょう。The Rivals (1970) という喜劇作品です。残念ながらDVDになっていなくて、家庭用のビデオテープに撮られたものがYoutubeにあります。市販されている作品についてはYoutubeのアドレスを書かないようにしていますが、これは市販されていないので、後ほど記します。

筋はなかなか込み入っています。もっとも喜劇はみな一筋縄ではいかない、という言い方もできますが。ジェレミー扮する颯爽として美しくハンサムなCaptain Jack Absolute(Captainはどう訳したらいいのでしょう?辞書をひくと陸軍[空軍]大尉;海軍大佐とあります)は、Ensign Beverlyという名前の貧しい士官として恋する女性に近づき、今では互いに愛し合っています。その彼に突然父親が縁談を持ち込み、その相手がなんと偶然にも、彼の愛するその女性でした。でも彼女は最愛のEnsign Beverly以外との結婚は拒否します。彼女の伯母、友人、侍女、ジャックの父、友人、召使いが入り乱れて、話は展開します。

この中で、ジャックが折々に私たちに話しかけ、他の登場人物も時々こちらを向いて話します。全員ではなかったと思うのですが、ジャックの恋する女性、彼女の侍女とジャックの召使いは、何回も第四の壁を破っていました。

それではジェレミーのシーンをいくつか。画質は荒いですが音声はきれいです。まずは召使いにひげを剃らせているシーンで、これが最初の登場になります。こうやって頬をふくらませて、ひげを剃らせるのですね。16m41sから。
http://youtu.be/RjYNZj9QOjg?t=16m41s

ここから私たちを指で招いて話しかけます。そして友人を迎え入れます。18m10sから。
http://youtu.be/RjYNZj9QOjg?t=18m10s
このぴったりとした服だと、細いけれども上半身の筋肉が発達しているのがよくわかりますね!特に横を向いた時。

この後、制服の上着を着るのが27m17s。この赤い制服がよく似合って、美しいですね!そしてまた私たちに話しかけます。この後部屋に入ってくるのが、彼の父です。この父の役をエドワードが2006年に演じています(「補遺、備忘録 その2(David BurkeとEdward Hardwicke)」参照)。
http://youtu.be/RjYNZj9QOjg?t=27m17s

56m18sのここから、ジャックは恋する女性がおりてくるのを待ちます。彼女はEnsign Beverlyに夢中なので、Captain Jack Absoluteという求婚者には興味がありません。ジャックも女性もそれぞれに観客に話しかけます。そしてついに二人は対面します。
http://youtu.be/RjYNZj9QOjg?t=56m18s

ここからもまたいろいろあるのですが、今回はここまで。

このジェレミーも魅力的でしょう!声もいいしセリフまわしもいいし、表情も仕草も。喜劇も本当にいいんですよね。

これはDVDになってほしい作品の一つです。今あるものは、音は良いのですが映像が荒くて残念です。私は音声を抽出してプレイヤーに入れて時々楽しんでいます。

1枚だけ、スクリーンショットを。以前この記事で紹介したのと同じものです。


RM
今日ネットをさまよっていましたら(ハイ、もちろん検索語は"Jeremy Brett"です)、DVDやBlu-Rayの発売についてのフォーラムの7月27日付けの投稿に行き当たり、1977年にBBCで放映された8回シリーズの作品 "Supernatural" がはじめて、DVD2枚セットで発売されることを知りました。
http://www.criterionforum.org/forum/viewtopic.php?f=29&t=12696

British Film Institute (BFI) が10月末に発売するということを、BFIのDVDショップサイトで確かめて、ファンフォーラムにこのリンクを投稿しました。
http://filmstore.bfi.org.uk/acatalog/info_27235.html

そうしましたら、メンバーがアマゾンを調べて、すでにアマゾンにも出ていることを教えてくれました。下のリンクはイギリスのアマゾンで、日本やアメリカのアマゾンにはまだありません。
http://www.amazon.co.uk/dp/B00E65SGH4

もちろん、ジェレミーがこのシリーズに出ているから、フォーラムで、そしてここでご紹介しているというわけです。思い起こせば去年の今頃、やはり新しいDVDの発売を知って喜んだのでした。
Haunted: The Ferryman (1974) のDVD発売

これからも新しいDVDの発売が続きますようにと願っています。同じBBCで放映された作品で言うと(もちろん今回の作品がDVDになるのはうれしいのですが)、Merry Widow, On Approval, Rebecca, The Barretts of Wimpole Street といった、誰もが認める名作がまだDVDになっていないのが残念です。Rebeccaについては、権利関係が難しいとネット上では噂されていますが、真偽のほどはわかりません。

さて、それでは簡単にご紹介します。このシリーズについては、Wikipediaでもあまり詳しく書かれていません。
http://en.wikipedia.org/wiki/Supernatural_(1977_TV_series)

今までビデオにもならずDVDにもなっていませんでしたから、情報が限られています。もっともジェレミーの回は、画質が悪いながらも映像の存在がファンの間で知られていて、そしてこの画質の悪いビデオが今現在YouTubeにあります。(市販されている作品については、YouTubeにあってもここで書かないようにしていますので、この作品が発売された時点でこの記述は消します。)

8回のシリーズのそれぞれの話は直接はつながっていないのですが、Club of the Damned(地獄クラブ?呪われた者達のクラブ?)のメンバー候補が、現メンバーの前で恐怖話を語って、それが十分怖ければ入会を許されるというのが共通の枠組みのようです。Master Blackmailerで恐喝王ミルヴァートンを演じたRobert Hardyが第一話に主演し、Edward Hardwickeも第二話に出演しているようです。そしてジェレミーは第四話 "Mr Nightingale" に主演しています。ジェレミー演じるMr Nightingaleは、上品とは言いがたい偏屈老人なのです。あのジェレミーが、ですよ!

Jeremy Brett Informationにあるこの写真がそうです。
http://jeremybrett.info/tv_supernatural.html

どうみてもジェレミーにはみえませんよね。この頃から変装の名手だったのですね!そしてこの老人が、若い頃に体験した恐怖に満ちた話をクラブのメンバーの前で話し、その回想シーンでは若い頃の姿で出てきます。でもその姿もやっぱり、洗練された紳士でも情熱的な男でもなく、少しおどおどしているのです。ジェレミーは役柄がまあなんと広いのでしょう!

私は前述した画質の悪い映像をさーっと流し観た程度だったのですが、DVDになったら、この異色の恐怖物語をじっくりと観ようと思っています。

RM
今日はちょっと珍しい作品のスクリーン・ショットを載せたくなりました。"Young Dan'l Boone" というシリーズの第一回 "The Trail Blazer" にゲスト出演した時のものです。颯爽と馬に乗るジェレミーを楽しめます。この作品についての説明は、また今度にしますね。下のリンク先は、Wikipediaと、Jeremy Brett Informationです。

http://en.wikipedia.org/wiki/Young_Dan'l_Boone
http://jeremybrett.info/tv_boone.html

このブログでは「舞台 Draculaの頃のインタビュー(その2);新聞記事(1978)より」でこの作品の名前を出しました。1977年にイギリスを離れた、と別のインタビューで言っていましたから(「イギリスを離れた時のこと(その1);RADIO TIMESのインタビュー(1982年)より」)、この作品はアメリカでの第一作だったのかもしれません。

ジェレミーは騎手になりたかったけれども、身長が大きくなりすぎてあきらめた、と言っていましたし(「バレエ;1988年のインタビューから」)、子供の頃は競技会にも出たそうですし("Berkswell Miscellany, Volume V"より)、ホームズの撮影で馬がいると、まず一番に厩に行ったそうですから(「ウェブサイト "Jeremy Brett Information" のご紹介(7)ホームズ撮影舞台裏の写真」)、この作品の中で馬で野や林を駆けるのは楽しかっただろうなあと思います。

Young Danl Boone2
Young Danl Boone3
Young Danl Boone4
Young Danl Boone5

1枚目でも馬に乗っています。2枚目は、この後この馬で走り出します。4枚目、主人公を殺そうと狙いをつけているところです。ジェレミーは悪役で、最後は死んでしまいますが、でもやっぱり魅力的な「悪い奴」ですね!

これはビデオにもDVDにもなっていないので、YouTubeへのリンクを書きましょう。

これがpart I です。part Vまであります。
http://www.youtube.com/watch?v=eQZlcmJO-Dc

ご覧になるとわかりますが、映像は色がおかしいのです。それで上の画像では少し色を修正しています。

このシリーズは4つのエピソードが放映された後、視聴率が悪くて打ち切りになってしまいました。脚本にも無理があったようです。ですからDVDになるのはあまり期待できないという気がします。YouTubeにあるものは色がおかしく、きれいな映像とは言えないのですが、音声は悪くなくて、ジェレミーの声や口調も十分楽しめます。

お話としては傑作とは言えなくても、他ではみられないような役を演じるジェレミーを楽しむ、そして馬に乗って幸せそうなジェレミーを見て幸せになれるという点で、ファンにはうれしい作品だと思います。

RM

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Author: RM
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