Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ

英グラナダ・テレビでシャーロック・ホームズを演じた俳優の人生を言祝いで

今日は前回の写真からの連想で、
1. 役の顔でない、
2. アップではない、
3. あまり知られていない写真
を選びました。例によって私の好きな「芋づる式」です。

下のリンク先はThe Priory Scholars of NYCというホームズ愛好家グループのウェブサイトです。サイトの一番上に掲げた写真では、たくさんのシャーロッキアンに囲まれて額に入れた何かを手渡されて、ジェレミーが嬉しそうに笑っています。
https://prioryscholarsnyc.wordpress.com

この写真を私は、雑誌の1985年のインタビュー記事に添えられていたときにはじめてみました。インタビュー記事の題や雑誌名は以下のとおりです。
Interview With Jeremy Brett
by Rosemary Herbert
The Armchair Detective, Vol.18, No.4, Fall 1985

インタビュー記事中の写真の説明に、1985年3月27日、ニューヨークのBogie's Restaurantで、ジェレミー・ブレットはThe Priory Scholarsの名誉会員証を授与された、とあります。アメリカ PBS での放送初日は1985年3月14日だそうですから(http://www.ihearofsherlock.com/2014/03/sherlockian-history-30-years-ago-today.html)、その直後ですね。

このインタビューの内容は何度かこのブログでも引用したことがあります。たとえばこちらです。
恐怖の感情:1985年のThe Armchair Detective のインタビューより


半年くらい前でしょうか、上にアドレスをあげた、The Priory Scholars of NYCのウェブサイトをみつけました。このサイトのArchivesにある一番古いページは2014年10月ですから、その頃にサイトをたちあげたのでしょう。ジェレミーが会員に囲まれて会員証を手に笑っている写真の下、Historyという文字をクリックすると、二回の休止期を経て2012年に活動を再開したグループの歴史が紹介されていて、そこでもジェレミーのことが触れられています。
https://prioryscholarsnyc.wordpress.com/about/

そしてアーカイブ中の一番古い記事からの引用です。

PRIORY SCHOLARS AT SIXTY
Susan Rice
https://prioryscholarsnyc.wordpress.com/2014/10/21/priory-scholars-at-sixty/

グループの集まりに参加したもっとも有名なゲストはもちろんジェレミー・ブレットで、1985年の集まりの最初の半時間ほどを、会員と共にすごしました。ジェレミーは本当に楽しい人でした。親しくいろいろなことを話してくれましたし、彼のホームズの特徴をすぐにその場でやってくれました。そしてグループの一人一人の話をきちんときいてくれました。とても残念なことに、私自身は仕事が長引いて、集まりに駆けつけたのはジェレミーがその場を去った後でしたが、皆は目を輝かせて、そのときの会話を一語ももらさず話したくてたまらない様子でした。

The most famous guest, of course, was Jeremy Brett who joined us at Bogie's for a half-hour or so at the start of a meeting in 1985. He was a delight — cordial, informative, quick to demonstrate some trick of his Holmes — and he took the time to listen to individuals in the group. Sadly I had to solve some problem at work and arrived at the meeting moments after he'd left, but everyone was still starry-eyed and eager to report on every word.


ああ、ジェレミーらしい、といつものように思います。

これをみつけたときは、雑誌で写真をみるのとはまた違ったうれしさがありました。ジェレミーがアメリカでこの写真に写ってから流れた時間も含めて感じられて、ジェレミー、このグループの人たちがあなたに会ったことを大切にして、30年ほどの時を経て写真をウェブサイトの一番上に掲げましたよ、とこころの中で話しかけました。

小さいですけれども、笑顔が良い写真です。自分のホームズがアメリカでもホームズを愛するひとたちに受け入れられて、皆とホームズの話ができて、うれしかったことでしょう。

RM

追記:日本やアメリカや世界のほかの国々がこんなことになっているのに、こんな平和な記事を書いていてよいのかという気持ちにもなりますが、今ここでの小さな幸せを自分で感じることと、まわりで起きていることを見て自分で感じることと、きっとどちらも大切ですね。
今日はeBayに出品されたMy Fair Ladyの写真のご紹介です。

http://www.ebay.com/itm//371811867822

スマートフォンなどではどう見えるのが私にはわかりませんが、コンピュータからでしたら左上の写真をクリックすると、かなり大きな画像になります。(すでに落札されていますので、数ヶ月で削除されると思います。)

Audrey Hepburn(オードリー・ヘップバーン)とジェレミーが雨の中で最初に会うシーンの撮影時です。George Cukor監督がオードリーに何か話していて、ジェレミーがそのすぐ近くで監督の方を見ています。

My Fair Ladyの撮影時の写真はJeremy Brett Informationに何枚もありましたが、これはそこにもありませんでしたので珍しい写真の部類にはいります。それででしょう、サイン入りというわけでもないのに結構な値段で落札されています。

私ははじめてではないのですが、以前のものはジェレミーの左目は完全に影になっていて表情がわかりませんでしたので、今回の写真はうれしいものでした。

RM
なぜか今日は、書きかけては頓挫するということを3、4回繰り返しています。それでインタビューを紹介するのはやめて、久しぶりに写真にします。

このところご紹介していたRebecca(1979年1月放送)の頃の写真をみてみましょう。下にあるのはDraculaの舞台にたっていた時のインタビューで撮影された写真で、日付は1978年11月27日となっています。

私はこの写真をはじめてみたとき、ちょっといつものジェレミーの印象と違うなあと思いました。どことはっきりと言えないのですが。特に1枚目かしら。お鼻かなあ。でもこの写真どちらも好きです。デジタルコンテンツを販売するGetty Imagesにある写真で、画像埋め込み機能がついているのでそれを利用しました。クリックするとGetty Imagesのページに飛びます。




この写真をみた時にもう一つ気がついたのは、水玉のネクタイです。これどこかでみたなあと思って、一つ思い出したのはこちらです。下のリンクをクリックすると、アメリカの放送局WHYYのページに飛びます。
http://www.whyy.org/tv12/50/1984.html

1984: Spotlight turns on
[...]
British actor Jeremy Brett, best known to Mystery! fans as Sherlock Holmes, gets wired for sound before being interviewed by WHYY's Patrick Stoner as part of the Emmy-nominated Spotlight series.

1984年に、ある番組でインタビューされる前にピンマイクをつけてもらっているところ、という説明です。同じネクタイですね。先の写真とは、1978年と1984年と時期は違いますが、同じアメリカでのインタビューです。このネクタイはアメリカの家においていたんでしょうね。他の写真でもこのネクタイがみつかるでしょうか。

(追記:さきさんがもう一枚あるのを教えてくださいました!コメント欄をご覧ください。その写真はイギリスでの写真でしたので、このネクタイ、「アメリカの家においていた」ということでもないみたいです。)

ああ、なぜか書き始めては頓挫ばかりしていた今日の記事、今回は終わりまで行き着きました。

RM
最近、記事が「かたい」かもしれないと思います。週に2回くらい書いていたときとちがって、ちょっとがんばってしまうところもあるのでしょう。ぶらぶら歩きねと自分にささやいて、写真を2枚ご紹介しましょう。

まずは写真の商用データベースのAlamyにある、ちょっと珍しいかもしれない写真で、エプロン姿でフライパンを右手にもって、左手で塩かなにかをふっています。やっぱり左利きだと左でふるんですね。写真はクリックで大きくなります。
http://www.alamy.com/stock-photo-actor-jeremy-brett-jeremy-brett-born-peter-56556341.html

エプロンにはリボンがついているなあと思っていたら、拡大していただくとわかるのですが、燕尾服の襟と、シャツと蝶ネクタイがプリントされているんです。

同じ時に撮られたに違いない写真が、他の写真データベースにありました。イギリスの新聞 Daily Mailのアーカイブです。さっきのよりも真剣な顔で、フライパンを前にしています。
http://mailpictures.newsprints.co.uk/view/19457113/elib_asscmmglpict000005011360_jpg

いつの写真かが1枚目ではわからなかったのですが、2枚目では"Date of photography: 03/04/1958" となっていますから1958年4月3日撮影で、Anna Masseyと結婚したのが同じ年の5月26日ですから、二人の婚約・結婚に関する新聞記事に使われたのでしょうね。ジェレミーは24歳です。

こちらの写真ではエプロンはよくみえないのですが、明らかに同じ時の写真です。腰のところにポーチのようなものがさがっているのがみえますが、ベルトにくっつけているのでしょうか。2枚目では写真のキャプションが "Actor, Jeremy Brett cooks in his Chelsea home" となっていますから、ジェレミーの家の台所だということもわかりました。結婚後もここに住んだのかしらと思ってAnna Masseyの自伝"Telling some tales"で今さがしたら、「二人は結婚式の二日後にチェルシーにあるジェレミーの小さな家にもどった」(We returned to Jeremy's little house in Chelsea after two days [...]) とありましたから、ここが二人の家になったのですね。

というわけで、エプロン姿のジェレミーの写真2枚をご紹介する、ぶらぶら歩きの記事でした。

RM
eBayに出品された3枚の写真をご紹介しましょう。以下のページでスクロールすると、出品されたプレス写真のおもてと裏をみることができます。落札前にすでにネットの一部で広まっていましたから、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。なおいつもと同じお断りですが、数ヶ月後にはこれらのページはeBayによって削除されて、みられなくなると思います。

http://www.ebay.co.uk/itm/261721632463
これは最初の奥様のAnna Massey(アナ・マッシー)と一緒の写真です。1961年6月27日のスタンプがあります。ジェレミーは27歳ですね。いまジェレミーはハムレットを演じていて、アナは"The Miracle Worker"に出演している、と後ろに書かれています。

http://www.ebay.co.uk/itm/261721632499
次の写真の裏には、この写真が使われている新聞Evening Standardの切り抜きが貼られていて、その日付は1967年9月16日です。10月3日からはじまる舞台"As You Like It"をとりあげた記事なのですが、そのなかでジェレミーは32歳となっていて、でも1933年11月3日生まれのジェレミーは実際には33歳のはずです。(わたし算数不得意ですが、大丈夫ですよね?)

http://www.ebay.co.uk/itm/261721632553
そしてこの写真の裏には1988年9月と書かれています。54歳ですね。舞台"The Secret of Sherlock Holme"はこの年の8月30日からだったので(http://www.jeremybrett.info/st_holmes.html)、舞台がはじまった直後ということになります。


こうして27歳、33歳、54歳のジェレミーのプレス写真を続けてみていると、ジェレミーの、そしてそれぞれ一人一人の人生、ということに思いがおよびます。

RM
思いがけず間があいて、すでに週末ですね。今日は写真のある場所をご紹介しましょう。

eBayに出品されていた写真2枚です。いつもと同じお断りですが、数ヶ月後には削除されると思います。以下のアドレスのページを下にスクロールすると、写真のおもてと裏を見ることができます。Pipesomoker of the Yearに選ばれた時の写真ですね。写真の裏には"DATE ISSUED: 26th January 1989" とあって、おそらくこの1989年1月26日がこの写真が使われた記事の発行日なのでしょう。

http://www.ebay.co.uk/itm/390926886322
http://www.ebay.co.uk/itm/161416501744


同じ時の写真と思われるものは、今までにも何枚も見たことがあります。いずれも、ホームズの衣装だけどジェレミーの顔、という写真でした。 たとえばAssociated Press (AP) のページではこちら。
http://www.apimages.com/metadata/Index/AP-VM-FILE-GBR-XEN-LON4-BRETT-DEAD/800d4c2687e0da11af9f0014c2589dfb
笑顔がとても好きな写真です。これはジェレミーが亡くなったことを知らせる記事につけられました。撮影は1989年1月17日と書かれています。

Alamyのページではこちら。
http://www.alamy.com/stock-photo-Jeremy_Brett_Pipesmoker_of_the_Year_1989_He_arrived_at_the_Savoy_to-20135880.html
ここでも撮影の日にちは1989年1月17日となっていますので、二つの会社が別個に記述しているこの日付はこれで間違いないでしょう(書かれている日付が間違っている場合も時々あるのです。)

この写真のキャプションには「ハンサムキャブでサボイホテルに到着して賞を授与され、パイプを吸っているところ」(He arrived at the Savoy to collect the award by Hansom Cab and smoking a pipe) と書かれています。なるほど、よくみる一連の写真は授賞式が行われたホテルの外で撮られたものだったのですね。


そして先に紹介したeBayの2枚の写真の裏の説明も興味深いのです。ちなみにこれらの写真は今ではネット上の複数箇所でみられますが、私の知る限りでは写真だけが再投稿され、裏の文章について言及しているのをみたことがありません。写真の由来、いつどこでどんな状況で撮影されたものか、どんなメディアに載ってどんな説明文が書かれたかということに興味がある人は少ないようですが、私は些細なことを知るのも大好きです!

写真の裏の記述は2枚とも同じです。私が興味深く思ったのは、次のところです。

パイプを気持ちよくふかしている功績が認められ、最近ジェレミーは"Pipesmoker of the Year"(パイプ吸い年間大賞)に選ばれ、ロンドンのサボイホテルで、記念として特別につくられたホームズ・スタイルのパイプを贈られた。

In recognition of his pipe-puffing habits, Jeremy was recently chosen as Pipesmoker of the Year at the Savoy Hotel in London where he was presented with a special "Holmes"-style pipe made in his honour.


それでは写真にうつっているパイプが、おそらくこの時に記念に贈られたものなのですね!サボイホテルでの授賞式はどんなだったでしょう。左胸のバラと左耳のイヤリングは、受賞式の時からつけていたのでしょうか。ジェレミーはどんな笑顔でパイプを受け取ったでしょう。

こんなふうに小さなことを知るのも嬉しいし、そこからさらに想像をめぐらせるのもまた楽しいのです。

RM

追記:この賞の名称はWikipediaによれば"Pipe Smoker of the Year"(http://en.wikipedia.org/wiki/Pipe_Smoker_of_the_Year)ですが、上では写真のキャプションのとおりに"Pipesmoker"と表記しました。
7月下旬に「ネット上のphoto archiveから(7);Getty Images その2」の記事を書きましたが、新しい写真がまた追加されたのに一ヶ月ほどして気がつきました。

Getty Imagesのアドレスはこちらで、
http://www.gettyimages.co.uk/
検索結果のページのアドレスはこちらです。
http://www.gettyimages.co.uk/Search/Search.aspx?contractUrl=2&assetType=image&p=%22jeremy+brett%22
うまく飛ばないようでしたら、検索窓に"Jeremy Brett"と入れ直してください。

7月に検索した時は33枚で、ジェレミーが実際にうつっているのは31枚、今回は38枚で実質36枚ですから、5枚新しい写真が加わりました。今回も、Getty Imagesが用意している、画像を埋め込むためのコードを使いましたので、写真をクリックするとGetty Imagesのページに飛ぶようになっています。






以上3枚は、説明文に"in Golden Square, London on 27th March 1984"とあります。




以上の2枚は"in London on 19th August 1985"とあります。


最初の3枚は、二人のスーツやネクタイ、そして何より撮影日が一致することから、以前「ネット上のphoto archiveから(1);ArenaPALとMirrorpix」でもご紹介したMirrorpixにある、下記のアドレスの写真と同じ時に撮られたものですね。このリンクはちゃんとはたらくでしょうか。
http://www.mirrorpix.com/webgate/preview.php?&IMGID=00018122

上記のMirrorpixのページに、撮影日が"27.03.1984"と書かれています。場所は書かれていなかったのですが、今回の写真の説明文から、Mirrorpixの写真も同じ撮影日ですからおそらく"Golden Square, London"で撮られたのだろうということがわかりました。といっても今はどんなところか全然ぴんと来ないのですが、いつか(!)ロンドンへ行く頃にはわかるでしょう。とにかく少しずついろいろなことを知ることができるというだけで、うれしいのです。

上のリンクがはたらかなかった場合のために、少し画質は劣って洋服の生地の感じなどわかりにくいのですが、Jeremy Brett Informationにある同じ写真のアドレスを書きます。(いつもながらのお断りですが、このサイトは画像の名前の番号を付け替えることがありましたので、今後もあるかもしれません。)
http://jeremybrett.info/behind/images/014.jpg
同じ時の別の写真も、今までにもみた事がありました。共演した女優たちとの写真です。
http://jeremybrett.info/behind/images/017.jpg

今回の3枚のうちの最初のは、今まで知っていた写真と違って少し憂い顔で、ホームズの顔が入っているかもしれませんね。


残りの2枚、とても素敵です。夏用のスーツですね。2枚目の写真、頭の上の眼鏡は、この年の初夏(Rex Featuresによれば6月13日)にブロードウェイで撮られた何枚かの写真でもみた眼鏡と同じように思えます。"Aren't We All?"の大きなポスターの前や、"USA TODAY"と書かれた、少し高いところにある箱の上にすわって笑っているジェレミーの写真をみたことがあるかたもいらっしゃるでしょう。小さいですけど、たとえばこちらにもあります。
http://jbinfo.tumblr.com/post/7746318773
これはごく薄い色のサングラスなのでしょうか。

"Aren't We All?"と書くと気がつかれるかもしれません。この舞台の途中でジェレミーの二度目の奥様のJoan Wilson(ジョーン・ウィルソン)が亡くなりました。それが1985年7月4日、そして公演はこちらのInternet Broadway Databaseによれば7月21日まで続きました。
http://www.ibdb.com/production.php?id=4371

この2枚の写真の説明文が正しければ(撮影の日にちが間違って書かれている事も時々あります)、これらは1985年8月19日、ロンドンでのジェレミーです。アメリカからもどってまだ間がない時、そして9月からホームズの撮影がはじまっています(撮影開始が9月ということについては「最初の入院の時(または「必要とされること」);インタビュー記事 When the lights went out (1990) より」参照)。

そう思ってみると、また別の感慨があります。この笑顔の奥にどんな感情があったのでしょうか。それはまったく、他人にはうかがい知れないことではありますが。特に2枚の内の最初、こちらを見ている写真をじっとみつめていると、何かが心の中を去来します。

でもその一方でこうも思うのです。ひとは悲しみの中にあっても、人生と生活が続いていく限り、生きる中に楽しみがあることもまた思い出さねば生きていけない、と。だから、ジョーンが亡くなって一ヶ月少しのこの写真の顔が、悲しみを隠した笑顔であるとは限らず、この時のジェレミーの中にやさしく微笑む何かがあったとしてもおかしくないですし、この一瞬がそうであったことを祈りたいと思いました。

RM
eBayに出ていた、舞台 A Midsummer Night's Dream(夏の夜の夢)の写真をご紹介しようと思っていて、のんびりしているうちにいつのまにか9月になってしまいました。遠からず削除されてしまいそうなので、今日はこれについて書きましょう。

A Midsummer Night's Dreamはカナダのオンタリオの、ストラトフォード・フェスティバルでの上演で、ジェレミーはアセンズ公シーシアス(Theseus)と妖精王オベロン(Oberon)の二役でした。一つの舞台作品で全然違う二役を演じるって、どんな感じなんでしょう。この作品では、時々あることなのでしょうか。ジェレミーについて調べていると、シェークスピアをちゃんと読みたい、シェークスピア劇上演についての歴史やならわしも知りたいと思うようになります。

出品されたのはシーシアスを演じている場面での写真で、watermarkが入っていますが堂々とした姿をみることができます。以下のページで、下にスクロールしていって下さい。
http://www.ebay.co.uk/itm/151336888963

ちなみに、妖精王オベロンを演じている時の写真がこちらにあります。ストラトフォード・フェスティバルのFacebookのページからで、フォーラムのメンバーが教えてくれました。隣はいたずら好きの妖精パックです。ジェレミーの衣装は首のまわりのひらひらが可愛いですね。でもこの衣装をきておひげをはやして、それでも格好いいと思わせるのは、ジェレミーくらいだったりして。
https://www.facebook.com/StratfordFestival/photos/10151686020837168

この舞台のデザインを担当したSusan Bensonのページには、カラーの写真が一枚あります。以下のページの"Theatre"と書かれたところにある写真をクリックして、飛び出してくる画像をさらにクリックして7枚目まで進んでください。こちらも妖精王を演じている時の写真です。半分横たわって妖精の女王タイターニアに寄り添っていて、とてもロマンチックですね。
http://susanbensonart.com/design/

この劇に関するJeremy Brett Informationのページはこちらで、画質は悪く、小さいですが、eBayに出たのとほぼ同じ場面の写真があります。
http://jeremybrett.info/st_midsummer.html

この公演は録画されたようです。いつか私たちも観ることができる日が来るでしょうか!ストラトフォード・フェスティバルのアーカイブにおさめられているようです。
http://bufvc.ac.uk/shakespeare/index.php/title/av70539

この時の劇の分析と批評を読めるページです。こちらは備忘録の目的で記します。ジェレミーについてはちょっとだけです。
http://journals.hil.unb.ca/index.php/TRIC/article/view/7349/8408

これも記録のために。Google News Archiveで読めるこの公演に関する記事で、こちらもジェレミーに触れているのは少しです。
Opening Night Draws Approval Of Audience
The Leader-Post - Aug 20, 1976
http://news.google.com/newspapers?id=8j1VAAAAIBAJ&pg=1040,1246474

この記事では、下にスクロールするとアセンズ公シーシアスを演じているジェレミーの写真があります。少し見上げる視線、堂々とした姿です。
Phillips' Dream Real Triumph
The Montreal Gazette - Aug 20, 1976
http://news.google.com/newspapers?id=IVU0AAAAIBAJ&pg=1194,945453

RM
この写真は見たことがあるかたも多いかもしれません。Getty Imagesにある、舞台"The Secret of Sherlock Holmes"の一場面の写真です。クリックすると、Getty Imagesのページに飛びます。



そして最近eBayに、この同じ場面を撮った別の写真が出品されました。下にスクロールしていくと、写真と当時の説明文(キャプション)があります。(数ヶ月後には削除されると思います)
http://www.ebay.co.uk/itm/390904360827

これもいい写真ですね。二人とも少しずつ違う表情で、Getty Imagesにある写真はリトマス紙の色が変わる前、eBayの写真は変わった後かもしれません。こちらは全身が写っているのも嬉しいです。こういう姿勢だったのですね。そして靴の先にこすれた跡のようなものまでみえて、その場にいるような気持ちになって、ちょっとどきどきします。

以前、やはり同じ場面の、また違う写真がカバーにつかわれている雑誌をご紹介したことがあります。
Sherlock Holmes GazetteのDVD-ROM
こちらは器具が違うようなので、違う劇場での公演の写真かもしれません。(追記:違う劇場ではなく、同じWyndhams Theatreでの写真でした。ArenaPALにあるこの写真のキャプションより。)


さて、この場面に相当するのは、原作とグラナダ版では「海軍条約事件」の冒頭ですね。下は原作からです。

「ワトスン君、君はまたたいへんなときにやって来たもんだね。もしこの紙が青いままだったら、万事それでいいのだが、もし赤く変色したら、人間一人の生命にかかわるんだよ」といって彼は試験管のなかへリトマス紙を浸した。するとたちまち濁った紅いろにその紙は変色したので、「ふむ、やっぱり思ったとおりだ! ワトスン君、すぐすむからね。タバコならそのペルシャぐつのなかにあるよ」(中略)

「なあに、ただの平凡な殺人事件さ。君はもっと面白い事件をもってきたんだろう?君ときたらまったく犯罪の海燕だからな(訳注 海燕が現われると暴風雨がくるといわれる)。どんな事件だい?」(延原謙訳)


"You come at a crisis, Watson," said he. "If this paper remains blue, all is well. If it turns red, it means a man's life." He dipped it into the test-tube and it flushed at once into a dull, dirty crimson. "Hum! I thought as much!" he cried. "I will be at your service in an instant, Watson. You will find tobacco in the Persian slipper." [...]

"A very commonplace little murder," said he. "You've got something better, I fancy. You are the stormy petrel of crime, Watson. What is it?"



Jeremy Paulが脚本を書いた舞台"The Secret of Sherlock Holmes"にもこの場面があり、ホームズの台詞は原作と同じ、でもその後のワトスンの言葉が違います。

ホームズ:君はもっと面白い事件をもってきたんだろう? 君ときたらまったく犯罪の海燕だからな。どんな事件だい?

ワトスン:僕は婚約したよ、ホームズ。メリー・モースタンと。


HOLMES: You've got something 
better, I fancy. You are the stormy petrel of crime, Watson. What is it?



WATSON: I'm engaged to be married, Holmes. To Mary Morstan...



ホームズは表情を変えません。それからワトスンをあたたかく祝福します。でもワトスンが去った後ワトスンの椅子に座り、「ボヘミアの醜聞」のあの台詞を口にします。"I am lost without my Boswell."

この劇はこのように、原作の台詞を自在に使いながら進んでいきます。

この劇の音声の場所と利用にあたっての注意については、以前こちらでご紹介しました。
The Secret of Sherlock Holmesの全幕の音声と、Edwardの言葉

あらためてこうして原作と比べてみると、同じ台詞が違う場所で使われて、ホームズの隠されていた感情を表現するように変わっているのに気づきます。ジェレミーはいくつかのインタビューで、ホームズは「ありがとう」も「助けてくれ」も口にできないと言っていましたが、この劇についてはカナダの新聞でのインタビューでこのように言っています。

「この劇では、ホームズは苦痛の感情を吐き出してしまいたいと望んでいるのです。その並外れた頭脳ゆえに苦しんでぼろぼろになって、『助けてくれ、助けてくれ』と言うのです。」

"In this play, Holmes is longing to vomit his pain. He is saying, 'Help me, help me, help me!' while his genius torments him, takes him apart."


"Actor seeks new clues to the elusive, tormented Holmes"
The Globe and Mail (Canada), August 7, 1989

この劇は、ホームズとしての感情を吐き出せた、豊かな感情表現の力を発揮できたという意味でも、ジェレミーにとって重要な場だったのだと思います。

RM
先月末に「ネット上のphoto archiveから(6);Getty Images」という記事を書いたばかりなのに、うれしいことに新しい写真がまた追加されました。

アドレスをもう一度記します。Getty Imagesのアドレスはこちらで、
http://www.gettyimages.co.uk/
検索結果のページのアドレスはこちら。
http://www.gettyimages.co.uk/Search/Search.aspx?contractUrl=2&assetType=image&p=%22jeremy+brett%22
うまく飛ばないようでしたら、検索窓に"Jeremy Brett"と入れ直してください。

"Jeremy Brett"で検索すると先月は29枚の写真がヒットして、そのうちの2枚はジェレミーが写っていない写真だったので、27枚を見ることができました。今日検索すると33枚で実質上は31枚、つまり4枚新しい写真が加わったことになります!4枚とも素敵なので、全部ご紹介しますね。Getty Imagesのウェブサイトでは、個人のサイトやブログやSNSで画像を埋め込むためのコードを用意しているので、今回はそれを利用します。写真をクリックするとGetty Imagesのページに飛ぶようになっています。

(追記:写真4枚埋め込んだらやたら重くて、なかなか表示されませんね!以下にそれぞれの写真のある場所を示します。ただしそちらではwatermark入りでしか表示されません。
http://www.gettyimages.co.uk/detail/news-photo/english-actors-david-buck-and-jeremy-brett-holding-a-violin-news-photo/501290935
http://www.gettyimages.co.uk/detail/news-photo/english-actor-jeremy-brett-posed-on-the-set-of-the-news-photo/501291241
http://www.gettyimages.co.uk/detail/news-photo/english-actor-jeremy-brett-posed-holding-a-violin-on-the-news-photo/501290933
http://www.gettyimages.co.uk/detail/news-photo/lawrence-olivers-protege-jeremy-brett-whose-acting-career-news-photo/502241935

はじめにご紹介する3枚は "The Lost Stradivarius" (1966)からです。30代前半ですね。この作品も残念ながら「失われた作品」で、フィルムが残っていません。あとはどこかでテープのコピーが見つかることを祈るのみです。




この内の2枚ではバイオリンを手にしているところから、若きホームズの面影をみるかたもいらっしゃるでしょう。3枚それぞれに表情が異なっていて、自由な想像を誘います。私は、1枚目では強気な気持ちと自尊心、2枚目では内面の傷つきやすさ、そして3枚目では冷笑的な雰囲気を感じます。皆様はどんなふうに想像をふくらませるでしょうか。この作品は実際には、超自然の存在が出てくるゴースト・ストーリーです。
http://www.jeremybrett.info/tv_stradivarius.html


もう一枚はこちらです。


これは1982年4月29日の撮影で、Toronto Starが写真を持っているということです。Toronto Starはカナダの新聞です。逆光の中でこちらをじっとみながら、少し笑みを浮かべている写真で、ちょっと面白いですね。同じ時に撮られたと思われる、いかにも何かの記事からスキャンしたような画像をみたことがあるので、実際にはそちらが紙面に使われたのかもしれません。

ジェレミーはこの時トロントで"The Tempest"の舞台にたっていますから、そのためのインタビューの時の写真でしょう。舞台での雰囲気のある写真は、以前こちらで4枚ご紹介しました。
イギリスを離れた時のこと(その2);RADIO TIMESのインタビュー(1982年)より

この舞台は、1981年にMichael Coxからホームズ役を打診された後のものです。この時はまだ、ジェレミーの中ではホームズはほとんど動き出していなかったでしょうが、この写真をみると、その時が来るのをどこかで待っているホームズの姿がこころの中に浮かんできます。


今日の写真はどれもホームズと直接の関係はないのですが、皆様の多くはジェレミーの表情のどこかにホームズをお感じになったのではないでしょうか。それで、「勝手に連動企画」ならぬ「勝手に献呈企画」で、不動産屋さんの看板にも「シャービック」にもどきっとするナツミさんに今回の記事を勝手に捧げます。ナツミさんなら絶対、バイオリンを手にしたジェレミーにどきっとなさったはずですから。

まだご覧になっていらっしゃらない方は、ナツミさんのこの記事をお読みくださいね。
ユリイカ2014年8月臨時増刊号

ナツミさん、しばらくは何かとお忙しいのではないでしょうか。今回ナツミさんがユリイカに文章をお書きになったことで、また世界が広がっていきそうですね。この「勝手な企画」に急いでコメントをなどと、ゆめゆめお考えになりませんように。また遊びにいきますね。

RM

 RM

Author: RM
コメントは承認後に公開されます。古い記事へのコメントも大歓迎です。2010年8月7日に始めました。
私の記事へのリンクはどうぞご自由になさって下さい。
和訳には間違いがあるかもしれません。最近は必ず英語原文を併記・またはアドレスを書いて読めるようにしていますので、どうぞそちらも参考になさってください。

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